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人事評価シートのテンプレート付き|職種別の評価項目・評価基準の例と書き方を解説【社労士監修】

「人事評価シートを作りたいが、どんな項目を入れればよいか分からない」「ひな形を使っているが、評価者によって点数がばらつく」「評価シートの点数を、昇給や賞与にどう結びつければよいか」。人事評価シートは、評価項目を並べるだけでは機能しません。項目ごとに「何ができたら何点か」という評価基準と、ウェイト(配点)を決めて、はじめて公平に使えるシートになります。

この記事では、人事評価シートに記載する項目、営業・事務・製造・介護・エンジニア・管理職の6職種の評価項目と評価基準の例、等級別のウェイト、自己評価・上司コメントの書き方まで、社会保険労務士が解説します。職種別のExcelテンプレートもダウンロードできます。

この記事のサマリ
  • 人事評価シートには、評価項目・評価基準・ウェイト・自己評価・上司評価・コメント・総合点を記載する。
  • 評価項目は「業績」「能力・行動」「情意」の3つに分け、職種ごとに業績と行動の項目を変える。
  • 評価基準は「積極的に取り組んだ」のような言葉ではなく、「月1件以上提案した」のように誰が評価しても同じ判断になる行動で書く。
  • 等級が上がるほど業績のウェイトを大きく、下の等級ほど行動・情意のウェイトを大きくする。
  • 総合点から評価ランクを判定し、昇給・賞与に反映する。その仕組みは就業規則(賃金規程・人事評価規程)に定める。
監修者
野澤惇_プロフィール写真

【野澤 惇 | 社会保険労務士】
社労士事務所altruloop/株式会社altruloopホールディングス 代表
人事労務DD(人事労務デューデリジェンス)・IPO準備の労務監査/労務是正を強みとする社会保険労務士。建設・介護・医療・IT・製造・飲食・小売・人材・不動産など多業種の労務顧問、就業規則作成、人事評価制度構築にも対応。
登録番号:13250298

→プロフィールを見る

目次

人事評価シートとは

人事評価シートは、一定の期間(半年・1年)の成果や行動を、決められた項目と基準で評価し、記録するための書式です。「人事評価表」「人事考課表」「評価シート」とも呼ばれ、意味はほぼ同じです。本人の自己評価と上司の評価、面談での話し合いの記録をまとめることで、評価の根拠を残し、次の期の目標や育成につなげます。

人事評価シートに記載する項目

項目内容
基本情報氏名、所属、等級、評価期間、一次評価者・二次評価者
評価項目業績・能力(行動)・情意に分けた、評価の対象
評価基準各項目で「期待どおり」とする水準。5段階の場合は真ん中(3)の目安を書く
ウェイト(配点)項目ごとの重み。合計を100にすると総合点が100点満点になる
自己評価・上司評価本人、一次評価者、二次評価者がそれぞれ点数をつける欄
コメント自己評価の根拠、上司の評価理由と来期への期待
総合点・評価ランク点数の合計と、S・A・B・C・Dなどのランク
面談の記録面談日、本人の確認

人事評価シートのテンプレート(職種別Excel)

営業職・事務職・製造職・介護職・エンジニア・管理職の6職種と、記入例(営業職)を1つのExcelファイルにまとめています。評価(1〜5)を入力すると、項目ごとの点数、総合点、評価ランク、昇給の倍率が自動で計算されます。評価項目・評価基準・ウェイトは自社に合わせて書き換えて使えます。

【ダウンロード:jinji-hyoka-sheet-template.xlsx をメディアにアップロードし、ここにファイルブロック(またはボタン)でリンク】

シート内容
使い方入力するセル、評価の段階、点数の計算方法
設定評価ランクの基準(総合点の下限)と、ランクごとの昇給の倍率
職種別の6シート営業職・事務職・製造職・介護職・エンジニア・管理職の評価シート
記入例(営業職)自己評価・上司評価・コメントを入力した例

職種別の評価項目の例

評価項目は、職種によって業績と行動の内容を変え、情意(仕事への姿勢)は全社で共通にするのが一般的です。テンプレートに入れている評価項目は次のとおりです。

スクロールできます
職種業績能力・行動情意
営業職売上目標の達成度、新規顧客の獲得提案力、顧客管理、計画と行動量、情報共有規律性、協調性、責任感
事務職業務の正確性、期限の遵守業務改善、優先順位づけ、社内対応、知識・スキル規律性、協調性、積極性
製造職生産目標の達成度、品質(不良率)安全行動、技能、改善活動、後輩指導規律性、協調性、責任感
介護職ケアの実施、事故防止利用者対応、記録、専門知識・技術、多職種連携規律性、協調性、責任感
エンジニア目標の達成度、品質技術力、見積もりと進捗管理、ドキュメント、チームへの貢献主体性、協調性、学習意欲
管理職部門目標の達成度、予算管理部下育成、評価とフィードバック、計画と判断、労務管理方針の浸透、責任感

管理職の評価に「労務管理(部下の労働時間・休暇の取得の把握)」を入れると、長時間労働や有給休暇の取得漏れを、管理職自身の責任として意識してもらえます。

評価項目を選ぶときのポイント

  • 会社の方針とつなげる:今期の重点(新規開拓、品質向上など)を評価項目に入れる
  • 本人の努力で変えられる項目にする:景気や他部署の対応など、本人がコントロールできないものは入れない
  • 数を絞る:1人あたり8〜12項目程度。多すぎると評価に時間がかかり、何が重要か伝わらない

評価基準の作り方

5段階評価の定義

評価定義
5期待を大きく上回った(上の等級の水準で行えた)
4期待を上回った
3期待どおり(評価基準を満たした)
2期待をやや下回った(一部に指導が必要だった)
1期待を下回った(指導しても改善が見られなかった)

評価基準には「3:期待どおり」の目安を書きます。3を基準にすると、それより上か下かで判断でき、評価者の判断がそろいやすくなります。

評価基準は「行動」で書く

評価項目悪い例良い例
業務改善業務改善に積極的に取り組んだ業務の手順を見直し、改善提案を期に1件以上出して実行した
顧客管理顧客情報をきちんと管理した商談の内容と次の行動を、当日中に顧客管理システムへ記録した
報告・連絡・相談報連相ができているトラブルが起きたとき、その日のうちに上司へ報告した
部下育成部下の育成に努めた部下と月1回以上面談し、育成計画を立てて実行した
協調性協調性があるほかのメンバーが忙しいときに業務を手伝った

「積極的」「きちんと」「努めた」のような言葉は、評価者によって受け取り方が変わります。回数・期限・行動を入れて、誰が評価しても同じ判断になる書き方にします。

等級別のウェイトと総合点の出し方

等級別のウェイトの例

スクロールできます
等級業績能力・行動情意
一般社員(入社〜3年目程度)20%50%30%
中堅・リーダー40%40%20%
管理職50〜60%30〜40%10%

等級が上がるほど成果への責任が大きくなるため、業績のウェイトを大きくします。下の等級は、仕事の進め方や姿勢を身につける段階なので、行動・情意のウェイトを大きくします。等級の考え方は等級制度とはで解説しています。

総合点から評価ランクを決める

テンプレートでは、各項目の点数を「評価(1〜5)÷5×ウェイト」で計算し、合計を総合点(100点満点)にしています。すべて「3:期待どおり」の場合は60点です。

総合点評価ランク昇給の倍率(例)
90点以上S2.0倍
75点以上A1.5倍
60点以上B(期待どおり)1.0倍
45点以上C0.5倍
45点未満D0倍

評価ランクを昇給・賞与に反映する方法と、昇給の予算から昇給額を逆算する方法は人事評価制度の作り方で解説しています。賃金表の作り方は賃金テーブルの作り方で解説しています。

人事評価シートの書き方(記入例)

自己評価の書き方

自己評価は、「何をしたか」と「その結果どうなったか」を、数字や具体的な場面で書きます。「頑張った」「意識した」だけでは、上司が評価の根拠にできません。

職種・項目悪い例良い例
事務職・業務の正確性ミスがないように気をつけた請求書の作成手順をチェックリストにし、半期のミスを前期の5件から1件に減らした
事務職・社内対応問い合わせに丁寧に対応した経費精算の問い合わせに当日中に回答し、よくある質問をまとめて社内に共有した
製造職・品質不良を出さないよう意識した担当工程の検査手順を見直し、不良率を2.0%から1.2%に下げた
製造職・後輩指導後輩の面倒を見た新人2名に作業手順書を使って教え、2か月で一人で作業できるようにした
営業職・新規顧客の獲得新規開拓を頑張った新規の獲得は目標10件に対し9件。紹介の依頼を既存顧客20社に行った

上司コメントの書き方

  • 事実:評価の根拠となった行動や結果を書く(「新人2名を2か月で独り立ちさせた」)
  • 評価の理由:評価基準と比べてどうだったかを書く(「後輩指導の基準を上回った」)
  • 来期への期待:次に伸ばしてほしい点を、行動で書く(「来期は手順書の改訂も任せたい」)

低い評価をつけた項目こそ、事実と理由を具体的に書きます。理由が書かれていない低評価は、本人の納得を得られず、評価への不満につながります。

人事評価シートを作るときの注意点

評価者によるばらつきを防ぐ

評価のエラー内容対策
ハロー効果一つの目立つ長所・短所に引きずられて、ほかの項目も同じように評価する項目ごとに、評価基準と事実を照らして判断する
中心化傾向差をつけるのを避け、真ん中の評価に集中する評価の根拠となる事実を、期中から記録しておく
寛大化傾向全体的に甘い評価をつける評価者会議で、評価者ごとの分布を比べてそろえる
期末誤差評価期間の終わりごろの出来事だけで評価する期間全体の記録をもとに評価する
対比誤差評価者自身と比べて評価する評価基準だけを物差しにする

評価シートだけで運用しない

評価シートは、人事評価制度の一部です。評価の結果で昇給や賞与が決まるなら、評価の対象・基準・時期と、評価と賃金の関係を、就業規則(賃金規程・人事評価規程)に定めます。規程がないまま評価で給与を下げると、トラブルの原因になります。等級・評価・報酬をあわせた制度の作り方は人事評価制度の作り方、人事評価制度の全体像は人事評価制度とはで解説しています。

よくある質問

人事評価シートの評価項目はいくつがよいですか?

1人あたり8〜12項目程度が目安です。多すぎると評価に時間がかかり、評価者の負担で運用が止まります。

評価は5段階と4段階のどちらがよいですか?

真ん中を「期待どおり」と定義できる5段階が一般的です。真ん中に評価が集中するのを避けたい場合は、4段階にする方法もあります。

職種が違っても同じ評価シートを使ってよいですか?

情意(仕事への姿勢)は全社共通でかまいませんが、業績と能力・行動は職種ごとに変えるのが望ましい方法です。同じ項目で評価すると、職種によって評価が高く出やすい・低く出やすいといった不公平が生まれます。

自己評価は必要ですか?

必要です。本人が自分の行動を振り返る機会になり、上司との評価の違いを面談で話し合うことで、評価への納得が高まります。

Excelの評価シートと人事評価システムのどちらがよいですか?

社員数が少ないうちはExcelで十分です。社員が増え、評価シートの配布・回収・集計の手間が大きくなったら、人事評価システムの導入を検討します。

まとめ

本記事のまとめ
  • 人事評価シートには、評価項目・評価基準・ウェイト・自己評価・上司評価・コメント・総合点を記載する。
  • 評価項目は業績・能力(行動)・情意に分け、職種ごとに業績と行動の項目を変える。
  • 評価基準は、回数・期限・行動を入れて、誰が評価しても同じ判断になる書き方にする。
  • 等級が上がるほど業績のウェイトを大きくし、総合点から評価ランクを決める。
  • 評価を昇給・賞与に反映するなら、その仕組みを就業規則(賃金規程・人事評価規程)に定める。

社労士事務所altruloopでは、社会保険労務士が、評価項目・評価基準・評価シートの作成から、等級・賃金の設計、賃金規程・人事評価規程への反映、評価者研修まで一貫して支援しています。既存の評価シートの見直しにも対応しています。人事評価制度のご相談はこちら

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監修者

【野澤 惇|社会保険労務士】
社労士事務所altruloop/株式会社altruloopホールディングス 代表
人事労務DD(人事労務デューデリジェンス)・IPO準備の労務監査/労務是正を強みとする社会保険労務士。建設・介護・医療・IT・製造・飲食・小売・人材・不動産など多業種の労務顧問、就業規則作成、人事評価制度構築にも対応。
登録番号:13250298

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