労務監査・労務DDは全国どこからでも依頼できますが、事務所によって「IPOに強い」「M&Aに強い」「是正まで伴走する」と得意領域が大きく分かれます。この記事では労務監査・労務DDを依頼できる社労士事務所8社を比較しました。
事務所選びで最も大切なのは、いま自社が何のために監査を受けるのかに合った事務所を選ぶことです。まずは自社の状況に近いものから見つけてください。
労務監査・労務DDにおすすめの社労士事務所8選
労務監査・労務DDの社労士事務所8社 比較一覧表
| 事務所名 | 社労士事務所altruloop | 社会保険労務士法人アウルス | ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所 | 社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズ | HRプラス社会保険労務士法人 | 社会保険労務士法人大野事務所 | 社会保険労務士法人とうかい |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な拠点 | 東京都 ※全国対応 | 東京 | 名古屋 | 東京(港区) | 東京(渋谷区・恵比寿) | 東京 | 名古屋 |
| IPO労務監査 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
| M&A 労務DD | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 労務の是正・改善支援 | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ |
| 労務顧問(給与計算・手続き) | ◯ | ◯ | △ | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
| 無料相談・公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP | 公式HP |
社労士事務所altruloop|労務コンサル特化の社労士事務所

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都(全国対応) |
| 費用の目安 | 労務監査:20万円~ 人事労務DD(人事労務デューデリジェンス):70万円~ 労務是正対応:100万円~ 人事評価制度の構築:50万円~ 就業規則の新規作成:(本則)20万円~、(その他)5万円~ |
| 実績 | 累計100社以上の人事労務支援。 |
| 特徴 | 人事労務コンサル特化の社労士事務所。 労務DD、労務監査、IPOに伴う労務是正、人事評価制度の構築、就業規則の作成などの実績が法務 |
| 相談方法 | Webフォーム、メール、Chatwork、電話 |
社労士事務所altruloopは、東京を拠点に全国対応する人事労務コンサルティング特化の社労士事務所です。代表はコンサルティングファーム出身で、労務DD・労務監査、IPO準備企業の労務是正といった難易度の高い案件を主戦場としています。
特にIPO準備企業では、指摘を受けてから上場申請までに未払い残業代の精算、勤怠管理の作り直し、規程の全面改訂を短期間で終わらせる必要があります。
altruloopはIPO準備企業の労務是正を実際に担当した経験があり、「洗い出し」と「治し方」をセットで設計できることを強みにしています。

【野澤 惇 | 社会保険労務士】
社労士事務所altruloop/株式会社altruloopホールディングス代表
戦略系のコンサルティングファームを経て社労士事務所を開業。累計100社以上の人事労務を支援し、人事評価制度・賃金制度の設計からM&Aにおける労務DD・IPO準備企業の労務是正まで上流の人事労務コンサルティングを強みとしています。
登録番号:13250298
社労士事務所altruloopのサービス資料

社労士事務所altruloopのサービス資料になります。
・人事労務のサービスを網羅
・金額もサービスごとに列挙
・他社実績もまとめています
altruloopホールディングス公式コラム
社労士事務所altruloopでは人事労務に関する様々なコラム記事を公開しています。
社労士事務所altruloopはこんな企業におすすめ
- 監査の指摘を、是正まで一貫して任せたい企業
- IPO準備で、労務まわりを短期間に作り直す必要がある企業
- まずは費用を抑えて自社の労務リスクを把握したい企業
- M&Aの売り手側として、事前に自社を点検しておきたい企業
社会保険労務士法人アウルス|DD専門チームでIPO・M&Aに対応


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 項目内容所在地大阪府大阪市北区大深町(グランフロント大阪 ナレッジキャピタル) ※東京・難波・名古屋・奈良にも拠点 |
| 費用の目安 | 要問合せ |
| 実績 | 開業以来、IPO支援労務コンサルティング・M&A労務人事DDで多数の実績 |
| 特徴 | 総勢30名以上の体制。DD案件は専門チームで対応。企業型確定拠出年金の導入支援にも対応 |
| 対応エリア | 全国 |
| 相談方法 | Webフォーム、電話 |
社会保険労務士法人アウルスは、IPO支援と人事・労務DDを主力に据えた社労士法人です。DD案件をチーム体制で担当する専門チームを社内に持っている点が特徴で、案件ごとに複数名がアサインされます。
労務DDは、調査期間が3年分に及ぶことも珍しくなく、対象拠点が複数あればさらに工数が膨らみます。担当者1名で対応する事務所ではスケジュールが読みにくくなりますが、チーム制であればM&Aのディールスケジュールに合わせた短期集中の調査に対応しやすくなります。


IPO支援業務の調査範囲も、法定帳簿・就業規則・労使協定・安衛法関係書類の確認から、労働時間や休日の管理実態、雇用形態と就業実態の適法性、社会保険の加入状況、人事制度の運用状況までを対象としています。
M&Aの労務DDでは特に、簿外債務につながる潜在的な負債を明確にすることに主眼が置かれています。


また労務監査の流れでは社会保険労務士法人アウルス様では5つに分けて進めていきます。


詳細な費用について知りたい方は1度ぜひ問い合わせてみてください。


【海蔵 親一|社会保険労務士】
社会保険労務士法人アウルス 代表社員/一般社団法人 全国労務監査協会 理事長
社会保険労務士・行政書士・社会福祉士の資格を持ち、IPO支援労務コンサルティング、M&A労務人事DD、企業型確定拠出年金の導入コンサルティングなどを展開。総勢30名以上の体制で、全国5拠点から企業を支援しています。
社会保険労務士法人アウルスはこんな企業におすすめ
- M&Aのディールスケジュールに合わせて短期間で調査を終えたい企業
- 従業員数が多く、担当者1名では対応しきれない規模の企業
- 買い手として、簿外債務の有無を優先的に知りたい企業
ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所|IPO労務監査・M&A労務DDに特化


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県名古屋市中区丸の内3-17-13 いちご丸の内ビル5階 |
| 費用の目安 | IPO労務監査:基本報酬(500,000円)+(調査対象人数×2,000円~×調査月数) M&A労務デューデリジェンス(DD):基本報酬(300,000円)+(調査対象人数×2,000円~×調査月数) |
| 実績 | ベンチャー企業から上場企業まで、各ステージに応じた企業支援 |
| 特徴 | IPO労務監査・M&A労務DDに特化。グループの弁護士事務所と連携したワンストップ対応。中国・台湾・香港・米国の現地法人設立支援にも対応 |
| 対応エリア | 全国 |
| 相談方法 | Webフォーム、電話(平日9:00〜17:00) |
ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所は、IPO労務監査とM&A労務DDを事務所の看板業務として打ち出している社労士事務所です。名古屋を拠点としつつ、全国の案件に対応しています。
想定している相談者が明確で、「主幹事証券会社からIPO労務監査を求められている」「監査法人から求められている」「買い手としてM&A労務DDを検討している」「事業承継で売却型のM&Aを検討している」といった状況を入口に据えています。すでに外部から監査を要請されている段階の企業にとっては、話が早い相手といえます。


IPOの労務監査での調査項目は具体的に公式HPでは記されています。


同様にM&Aの労務DDでも調査項目が明確になっているため、依頼を検討している会社様は事前に準備しておくとスムーズに進めることができます。


【小島 史靖|社会保険労務士】 ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所
愛知県社会保険労務士会所属。IPO労務監査・M&A労務デューデリジェンスに特化し、グループの弁護士事務所や国内外の税理士・公認会計士・司法書士等のネットワークを活かしたワンストップ支援を行っています。
ユナイテッド・パートナーズ社労士事務所はこんな企業におすすめ
- 主幹事証券会社や監査法人から労務監査を要請されている企業
- 事業承継を目的とした売却型M&Aを検討している企業
- 労務監査・労務DDの専業性を重視したい企業
社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズ|報告書のスピードを重視


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区虎ノ門3-23-6 RBM虎ノ門ビル7階 ※大阪・福岡・名古屋にも事務所 |
| 費用の目安 | 要問合せ |
| 実績 | 証券会社・金融機関・コンサルティング会社・法律事務所・監査法人からの労務DD依頼が増加 |
| 特徴 | 労務監査の専門サイト「労務監査.com」を運営。最終ヒアリングの翌週にエグゼクティブ・サマリーを提出する体制。ISO27001取得 |
| 対応エリア | 全国 |
| 相談方法 | Webフォーム、電話(10:00〜17:00) |
社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズは、労務監査の専門サイト「労務監査.com」を運営する東京都港区の社労士法人です。最大の特徴は、ヒアリング終了後の報告スピードを明確に打ち出している点にあります。
同事務所は、労務DDや関係者ヒアリングの直後こそ労務管理体制の改善に向けた機運が高まっているタイミングだと位置づけ、最終ヒアリングの翌週にはエグゼクティブ・サマリー、もしくはほぼ完成状態のドラフトを提出できる体制を敷いていると公表しています。


労務DDのサービスページでの労務監査のスケジュールや労務DDのメリット、支援事例などを多く載せています。
報告書が出てくるのが遅いと、経営陣への説明や取締役会の決裁が後ろ倒しになり、ディール全体のスケジュールに影響します。スケジュールがタイトな案件では、この点は実務上の大きな差になります。


【吉住 幸延|社会保険労務士】
ガルベラ・パートナーズグループ 代表
税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人を東京・大阪・福岡・名古屋に展開し、税務・労務・法務のワンストップ支援体制を構築。社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズをグループの人事労務コンサルティング担当部門として位置づけ、労務監査、人事評価制度、労務コンプライアンス対策、社内規程の整備などで全国の企業を支援しています。
社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズはこんな企業におすすめ
- 報告書の提出時期を先に確定させておきたい企業
- 経営陣や取締役会への説明期限が決まっている企業
- 社内報告会まで専門家に同席してほしい企業
HRプラス社会保険労務士法人|IPO支援に強く、情報発信が豊富


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区恵比寿南1-4-2 紀伊國屋ビル7階 |
| 費用の目安 | 要問合せ ※同事務所は社労士による労務DDの相場を60万〜80万円程度と公表 |
| 実績 | IPO支援、労務デューデリジェンス、海外労務のコンサルティング |
| 特徴 | 代表が上場企業の取締役(監査等委員)・監査役を務める。新聞・ビジネス誌への寄稿や著書多数 |
| 対応エリア | 全国 |
| 相談方法 | Webフォーム、電話 |
HRプラス社会保険労務士法人は、東京都渋谷区・恵比寿に拠点を置き、IPO支援を軸としたサービスを提供している社労士法人です。
同事務所の特徴は、労務DDの費用感を含めた情報を公式サイトで具体的に公開している点です。社労士による労務DDの費用相場を60万〜80万円程度、時間あたりでは2万〜10万円ほどとし、対象企業の規模・調査範囲・上場する市場によって変動すると説明しています。費用が読みにくい労務DDにおいて、事前に目安を把握してから相談に進めるのは依頼側にとって助かる点です。


サービスの特徴としてはIPO実績のある担当者賀労務管理体制の構築・改善まで伴走してくれる所です。
証券会社や東証の質問対応まで徹底的にフォローしてくれることは助かる会社様も多いはずです。


【佐藤 広一|特定社会保険労務士】
HRプラス社会保険労務士法人 代表社員
明治学院大学経済学部商学科卒業。2000年にさとう社会保険労務士事務所を開設し、人事労務相談、就業規則等の整備、海外労務、IPO支援、労務デューデリジェンスなどのコンサルティング活動を展開。東証プライムおよびグロース上場企業の取締役(監査等委員)・監査役に就任し、ボードメンバーとして人事労務コンプライアンスの実現に携わっています。新聞・ビジネス誌への連載・寄稿、著書多数。
HRプラス社会保険労務士法人はこんな企業におすすめ
- 労務DDの費用感を事前に把握したうえで相談したい企業
- IPO準備の初期段階で、進め方から相談したい企業
- 都心でアクセスしやすい事務所を選びたい企業
社会保険労務士法人大野事務所|「経営労務監査」として体系化


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都(渋谷オフィス・幕張オフィス) |
| 費用の目安 | 要問合せ |
| 実績 | 労務相談、労務診断、IPO支援コンサルティング |
| 特徴 | 労務監査を「経営労務監査」として体系化。60名規模の体制。労働基準監督署の臨検調査に準じた監査内容 |
| 対応エリア | 全国 |
| 相談方法 | Webフォーム、電話 |
社会保険労務士法人大野事務所は、労務監査を「経営労務監査」として体系化して提供している社労士法人です。経営と労務を不可分のものとして把握するという考え方から、あえて「経営」を冠しています。
会計監査が公正妥当な会計原則に基づいて資本運用の視点から会社経営を監査するのに対し、労務監査は人材活用の労務管理施策や人材配置が適法・適切であるかという視点から監査するもの、という整理です。監査の内容は、労働基準監督署および労働局が行う臨検調査に準じたものを基本としつつ、人事・労務関係規程や労使協定の整備状況、法定帳簿や人事労務書式の整備状況、制度の運用状況を確認するための帳簿・書式のサンプル監査までを対象としています。
特筆すべきは、違法とはならないまでもリスクが大きく望ましくないと考えられる点についても改善の提言を行う方針を示している点です。IPO審査では「違法ではないがリスクが高い運用」が論点になることも多く、グレーゾーンまで踏み込んだ助言を求める企業には合います。


【大野 実|特定社会保険労務士】
社会保険労務士法人大野事務所 代表社員
1975年 神奈川大学法学部法律学科卒業。1977年に社会保険労務士大野事務所を開業。1986年 日本大学大学院修士課程修了(管理工学専攻・工学修士)。長年にわたり企業の人事労務相談・労務診断・IPO支援に携わっています。 登録番号:13820444
社会保険労務士法人大野事務所はこんな企業におすすめ
- 法令違反の有無だけでなく、リスクの高い運用も指摘してほしい企業
- 経営戦略と人材マネジメントを結びつけた助言がほしい企業
- 臨検調査を意識した実務的な監査を受けたい企業
社会保険労務士法人とうかい|オンラインで全国対応


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知兼名古屋市西区牛島町5-2 |
| 費用の目安 | 要問合せ |
| 実績 | 100名以上の規模のアウトソーシングにも対応 |
| 特徴 | Chatwork・Zoomを活用し、相談から手続き・給与計算までオンラインで完結。来所相談も可 |
| 対応エリア | 全国(オンライン対応) |
| 相談方法 | Webフォーム、電話、来所 |
社会保険労務士法人とうかいは、名古屋を拠点にオンラインで全国対応している社労士法人です。労務DDについては、ニーズを踏まえて重要と考えられる項目を網羅的に調査する方針を示しています。
同事務所は、M&AやIPOを成功させるためには、労務DDによって自社の状況を客観的な視点で正確に把握し、コスト・リスク・潜在的な債務を洗い出すことが必須だと説明しています。また、人事労務領域は関連法令が多岐にわたるため社内で行うのは現実的でなく、外部の視点で客観的に検証・精査されることが望ましいという立場をとっています。
会計DDは公認会計士や税理士、法務DDは弁護士が主に担うのに対し、労務DDは主に社会保険労務士が担うという役割整理も明示されており、専門家の使い分けから相談したい企業にも向いています。
労務DD以外の顧問業務やアウトソーシングにも幅広く対応しているため、監査後もそのまま日常の労務管理を任せたい企業にとっては窓口を一本化できます。


【久野 勝也|社会保険労務士】
社会保険労務士法人とうかい 代表社員
名古屋を拠点に、オンラインを活用した全国対応の体制を構築。手続き・給与計算のペーパーレス化やクラウドシステムの導入支援に力を入れており、業務効率化の提案を含めた人事労務支援を行っています。マネーフォワード、大塚商会、商工会議所などでの講演実績も多数。
社会保険労務士法人とうかいはこんな企業におすすめ
- 愛知県で社労士事務所を探している会社様
- 調査項目を絞らず、幅広く網羅的に見てほしい企業
- 監査後の顧問契約まで見据えて相談したい企業
IPOやM&Aの労務監査・労務DDを依頼するときに知っておきたいこと
- 労務監査は「健康診断」、労務DDは「精密検査」にあたる
- 労務DDを担うのは主に社労士だが、弁護士やコンサルが担うこともある
- 事務所の所在地は結果に影響しにくい(資料はデータでやり取りするため)
- 「指摘まで」か「是正まで」かで、依頼後の負担がまったく変わる
労務監査は、自社の労務管理が労働関連法令に沿って運用されているかを定期的に点検するものです。労働基準監督署の臨検調査に準じた形で、就業規則や労使協定、法定帳簿の整備状況、労働時間や休日の管理実態を確認します。定期健康診断のように、問題を早期に見つけて改善するための取り組みと考えてください。
一方の労務DDは、M&AやIPOという特定の目的のために行う精密検査です。未払い残業代や社会保険の加入漏れといった簿外債務になり得る項目を洗い出し、金額のインパクトまで見積もることが目的になります。M&Aでは企業価値の算定に直結し、IPOでは上場審査を通過できるかどうかに直結します。
労務DDを誰に依頼するかについては、会計DDは公認会計士や税理士、法務DDは弁護士、労務DDは社会保険労務士という役割分担が一般的です。ただし弁護士が労務DDを担うこともあり、DDを一括で請け負うコンサルティング会社もあります。
そして依頼時に最も見落とされやすいのが、その事務所が「指摘まで」なのか「是正まで」なのかという点です。
報告書を受け取った後、未払い残業代の精算方法を決め、勤怠管理の運用を作り直し、就業規則を改訂する作業が待っています。この部分を自社だけでやりきれる体制があるかどうかを、依頼前に見積もっておくことをおすすめします。
労務監査・労務DDの費用相場
- 労務監査(単体):20万円〜80万円程度
- 労務DD(社労士に依頼):60万円〜80万円程度
- 労務DD+課題解決まで依頼:150万円程度
- 時間単価で見た場合:2万円〜10万円程度
- 弁護士に依頼した場合:500万円〜1,000万円程度になることも
労務監査の費用は、企業規模や監査範囲によって変動しますが、一般的には20万円〜80万円程度が目安とされています。まずは就業規則に絞って適法性を確認するなど、範囲を限定することで費用を抑えることも可能です。
労務DDについては、社労士に監査部分のみを依頼する場合で60万円〜80万円程度が相場とされています。
ここに未払い残業代の精算方針の設計など課題解決まで含めると社労士側の工数が増え、より経験のあるメンバーがアサインされることから、150万円程度が目安になるという見方もあります。
弁護士に依頼する場合は社労士より高額になるのが一般的で、依頼先や調査期間・調査項目によっては500万円〜1,000万円程度になることもありますが、法務DDを併せて依頼できる利点があります。
費用を左右する4つの要因
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 対象人数が増えるほど、賃金台帳や勤怠データの検証工数が増える |
| 調査対象期間 | IPO準備では直近2〜3期分を対象とすることが多い |
| 調査スコープ | どこまでを調査対象とするかで費用を調整することができます。 |
| 是正まで含むか | 監査のみか、課題解決の設計・実行まで含むかで大きく変わる |
見積もりを取る際は、この4点の前提条件が明示されているかを必ず確認してください。
労務監査・労務DDの失敗しない選び方
- IPO目的かM&A目的かで、実績のある事務所を選ぶ
- 「指摘して終わり」か「是正まで伴走するか」を確認する
- 報告書の様式と提出時期を、契約前に確認する
- 対応体制(担当者数・チーム制か)を確認する
- 主幹事証券や監査法人とのやり取り経験があるか確認する
- 見積もりの前提条件(範囲・期間・追加費用)が明示されているか確認する
IPO目的かM&A目的かで、実績のある事務所を選ぶ
同じ労務監査でも、IPOとM&Aでは求められるものが違います。IPOは上場審査を通過するために課題を「治しきる」ことが目的で、監査から上場申請までの期間を通じた伴走が必要です。一方M&Aは、ディールの意思決定に必要な情報を短期間で提出することが目的で、金額インパクトの見積もりが重視されます。自社の目的側の実績があるかを確認してください。
「指摘して終わり」か「是正まで伴走するか」を確認する
前述のとおり、報告書を受け取ってからが本番です。是正まで対応できる事務所であれば、そのまま改善フェーズに移行できます。監査のみの事務所に依頼する場合は、是正を誰が担うのかを先に決めておく必要があります。
報告書の様式と提出時期を、契約前に確認する
報告書は、経営陣への説明や取締役会の決裁に使う資料です。エグゼクティブ・サマリーが付くのか、指摘事項に優先順位が付くのか、リスクの金額換算があるのかで、社内での使い勝手が変わります。提出時期も、ヒアリング終了から何週間後になるのかを確認しておきましょう。
対応体制(担当者数・チーム制か)を確認する
従業員数が多い企業や拠点が複数ある企業では、担当者1名では調査が長期化します。チーム制を敷いている事務所かどうかを確認してください。
主幹事証券や監査法人とのやり取り経験があるか確認する
IPO労務監査では、主幹事証券や監査法人からの追加質問に社労士が直接回答する場面が出てきます。この経験の有無で、審査対応のスムーズさが変わります。
見積もりの前提条件が明示されているか確認する
対象人数、対象期間、対象拠点、含まれる作業範囲、追加費用が発生する条件。この5点が見積書に明示されているかを確認してください。
労務監査・労務DDの流れと準備する資料
労務監査・労務DDの一般的な流れ
目的(IPO/M&A/自主点検)、企業規模、希望スケジュールを共有
調査範囲と期間、報告書の様式、費用を確定
就業規則、賃金台帳、勤怠データ、労使協定などをデータで提出
資料の突合と、人事担当者・現場責任者へのヒアリング
指摘事項と改善提言をまとめた報告書を提出、社内報告会を実施
事前に揃えておく資料
資料が揃っているほど調査はスムーズに進み、結果的に費用も抑えられます。範囲を明確にして事前に整理しておくことが、費用を抑えながら効果的な監査を実施するポイントです。


実際に実務で使用している社労士監修のテンプレートになります。
・最新のルールに完全対応
・ドキュメント形式ですぐに自社用にカスタマイズ可能
・altruloopが実務で使用している様式をベースに作成
労務監査・労務DDに関するよくある質問
顧問の社労士に労務監査を頼んでもいいですか?
顧問社労士は自社の実態をよく知っているという利点がありますが、これまでの運用を自ら点検することになるため、客観性の面で課題が残ります。IPOやM&Aのように第三者に提出する前提であれば、外部の事務所に依頼するほうが望ましいと考えられます。自主点検であれば、顧問社労士に依頼しても問題ありません。
労務監査・労務DDにはどのくらいの期間がかかりますか?
企業規模と調査範囲によりますが、資料提出からヒアリング、報告書提出までで1〜2ヶ月程度が一般的です。M&Aのディールスケジュールに合わせて短期集中で行う場合は、より短い期間で対応する事務所もあります。契約前に、報告書の提出時期を確認しておいてください。
未払い残業代が見つかったらどうなりますか?
IPO準備の場合は、遡って精算したうえで、再発しない仕組みに作り直すことが原則になります。M&Aの場合は、簿外債務として企業価値の算定や表明保証の交渉に反映されるのが一般的です。いずれも「見つかったから終わり」ではなく、その後の対応方針の設計が重要になります。
売り手側でも労務DDは必要ですか?
買い手のDDで問題が出ると、価格交渉で不利になったり、ディール自体が止まったりすることがあります。売り手側が事前に自社を点検し、想定される指摘に対する説明や対応を準備しておく「セルサイドDD」の考え方もあります。まずは労務診断など軽い範囲から始める方法もあります。
従業員に知られずに実施できますか?
書面調査が中心であれば、人事担当者以外に知られずに進めることは可能です。ただし現場ヒアリングを行う場合は、社内に一定の説明が必要になります。M&Aの秘匿性が高い案件では、ヒアリングの範囲や説明の仕方を事務所と事前に相談してください。
通常の顧問契約と労務監査は何が違いますか?
顧問契約は、日常の手続きや相談に継続的に対応するものです。労務監査は、ある時点の労務管理の状態を体系的に点検し、報告書としてまとめるスポット業務です。目的も成果物も異なるため、顧問契約とは別に依頼するのが一般的です。
監査法人から指摘を受けた後からでも間に合いますか?
指摘の内容と上場申請までの残り期間によります。未払い残業代の精算や勤怠管理の作り直しには一定の期間が必要なため、早い段階で相談することをおすすめします。是正まで対応できる事務所であれば、指摘への対応方針も含めて相談できます。
報告書はそのまま主幹事証券に提出できますか?
事務所によって報告書の様式は異なります。第三者提出を前提とした様式で作成する事務所もあれば、社内検討用の位置づけで作成する事務所もあります。提出先が決まっている場合は、契約前にその旨を伝えて様式を確認してください。
労務監査・労務DDの社労士事務所まとめ
労務監査・労務DDを依頼するとき、まず押さえておきたいのは目的によって選ぶべき事務所が変わるということです。IPOなら課題を治しきるまでの伴走が必要で、M&Aなら短期間で金額インパクトを出せる体制が必要になります。
そのうえで迷ったら、社労士事務所altruloopが第一候補です。労務診断は従業員15名規模で20万円〜と始めやすく、指摘事項の是正から就業規則・各種規程の作り直しまで同じ担当が一貫して対応します。
本記事を参考にぜひ1度相談していただければと思います。









