初めて従業員を雇い入れた会社や、新たに支店を開設した事業所がまず対応すべき手続きが「労働保険関係成立届」の提出です。様式第1号と呼ばれるこの書類は、労働保険(労災保険+雇用保険)に加入するための 起点となる最重要書類 で、提出が遅れれば費用徴収や追徴金といった重いペナルティにつながります。
一方で、成立届は 特殊なOCR用紙 で作成する必要があり、厚労省サイトからダウンロードしたPDFでは申請できず、「事業の種類コード」「保険関係成立年月日」「賃金総額の見込額」など、実務に慣れていないと戸惑う記入項目もいくつかあります。
本記事では、労働保険関係成立届の書き方を 記入例の図解付き で項目ごとに解説し、添付書類・提出方法・e-Gov電子申請の手順・提出後にやるべきことまで、2026年時点の最新情報をもとに社労士がわかりやすくまとめました。
※労働保険の加入手続き全体の流れをお知りになりたい方は、「労働保険の加入手続きの流れ|新規適用から年度更新まで社労士が解説」をあわせてご参照ください。

労働保険関係成立届とは|提出が必要な場面と期限

労働保険関係成立届(様式第1号)は、事業所が労働保険の適用事業となったことを国に届け出るための書類です。会社設立時だけでなく、事業拡大や業態変更のタイミングでも提出が必要になる場面があります。
初めて従業員を雇ったとき(継続事業)
最も多いのが、会社を設立して 初めて従業員を雇い入れた ケースです。労働保険は労働者を1人でも雇用した時点で強制適用されるため、雇用を開始した日(保険関係成立日)をもって成立届の提出義務が発生します。
雇用する労働者が正社員であるかパート・アルバイトであるかは問いません。
一般的な事務所・店舗・工場などは、事業の終期が予定されていない「継続事業」として扱われます。
支店・営業所を新設したとき
労働保険は原則として 事業所(支店・営業所)単位 で保険関係が成立します。そのため、本社とは別に支店や営業所を開設した場合は、新たに成立届を提出するのが原則です。
※ただし、設置した支店・営業所が独立した経営組織として機能していない場合(単なる出張所や連絡事務所、人事・経理機能を持たない小規模拠点など)は、本社と一体の扱いとなり、別途の成立届は不要となるケースもあります。判断に迷う場合は、管轄の労働基準監督署に事前確認することをおすすめします。
建設業など有期事業の場合の取扱い
建設業や林業など、事業の期間が予定されている事業は「有期事業」として取り扱われ、継続事業とは別の様式・計算方法で成立届を提出します。建設業の場合、原則として 工事現場ごと に保険関係が成立するため、大規模工事を受注するたびに成立手続きが必要となります。
建設業は二元適用事業でもあるため、労災保険と雇用保険をそれぞれ別個に手続きすることになります。また、元請が一括して下請の労働者まで含めて労災保険をかける「元請一括」の仕組みにも注意が必要です。
提出期限は保険関係成立日の翌日から10日以内に所轄の労働基準監督署へ
成立届の提出期限は、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内 と労働保険徴収法で定められています。「保険関係が成立した日」とは、継続事業の場合は最初の労働者を雇用した日を指します。
この10日以内という期限は非常にタイトです。会社設立直後は登記・税務・社会保険と他の届出も集中する時期ですが、成立届の遅延は後述する費用徴収のリスクに直結するため、最優先で処理しましょう。
- 一元適用事業の場合
-

- 二元適用事業の場合
-

労働保険の成立
様式第1号の入手方法と作成前の準備
成立届を作成する前に、様式の入手と必要情報の整理を済ませておくと、窓口で差し戻されるリスクを大幅に減らせます。
特殊用紙のため窓口で入手(労基署・ハローワーク・労働局)
労働保険関係成立届の様式第1号は、OCR読み取り用の特殊用紙 で作成されており、通常のコピー用紙では申請できません。そのため、紙で申請する場合は以下のいずれかの方法で事前に様式を入手する必要があります。
- 管轄の労働基準監督署の窓口で受け取る
- 管轄のハローワーク(公共職業安定所)の窓口で受け取る
- 労働局の窓口で受け取る
- 窓口に電話して郵送請求する
社会保険労務士 野澤惇窓口で入手すれば、その場で疑問点を職員に直接確認できるため、実務に慣れていない方には窓口入手がおすすめです。
電子申請ならダウンロード不要
e-Govを利用した電子申請の場合、特殊用紙の入手は一切不要です。ブラウザ上の入力フォームに必要情報を直接入力して送信する方式のため、用紙の取り寄せや郵送の手間が省けます。



電子に抵抗のない方は電子申請にすることで、すぐに申請できます。
※e-Govの具体的な申請手順は後述しています。
事前に準備しておく情報(事業の種類、労働者数、賃金総額見込み)
様式を入手したら、以下の情報を事前に整理しておくとスムーズです。
- 事業所の正式名称・所在地・電話番号(登記簿謄本の表記どおり)
- 事業主の氏名・住所(法人の場合は代表者氏名)
- 事業の種類と事業の概要(例:「書籍の編集・出版」「飲食店経営」など具体的に)
- 事業の種類コード(厚労省告示「労災保険率適用事業細目表」で確認)
- 保険関係成立年月日(最初の労働者を雇用した日)
- 雇用予定の労働者数(一般・日雇別に概算)
- 年度末(3月31日)までの賃金総額の見込額(千円未満切り捨て)
労働保険関係成立届の書き方【記入例つき】
ここからは、様式第1号の各記入項目について具体的な書き方を解説します。
※ここでは株式会社altruloopを例に記入していきます。


- (1)事業主
-
住所と会社名等を記入します。
- 住所又は所在地:東京都八王子市日吉町8-21
- 氏名又は名称:株式会社altruloop 代表取締役 野澤 惇
- (2)事業
-
実際に事業を行っている事業所(オフィスや店舗など)の所在地や名称、電話番号を記入します。
- 郵便番号:193-0836
- 所在地:東京都八王子市日吉町8-21
- 電話番号:090-1997-3921
- 名称:株式会社altruloop
- (3)事業の概要
-
事業所で行っている主な業務の内容を具体的に記入します。
- 経営コンサルティング事業
- (4)事業の種類
-
事業の概要の内容に基づいて、厚生労働省が定める「労災保険率適用事業細目表」の分類に沿って記入します。
- その他の事業
- (5)加入済みの労働保険
-
※加入している保険があればチェック
- (6)保険関係成立年月日
-
初めて労働者を雇い入れた日を記入します。
- 令和5年4月1日
- (7)雇用保険被保険者数
-
雇用保険の加入条件(週の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込み)を満たす従業員の人数を記入します。
- 3人
- (8)賃金総額の見込額
-
保険関係成立日からその年度末(3月31日)までに、全労働者へ支払う予定の賃金総額を○○千円で記入します。
- 10,800千円(1,080万円の場合)
- (9)委託事務組合
-
労働保険の手続きを労働保険事務組合に委託する場合のみ、組合名を記入します。委託せず自社で手続きを行う場合や、社会保険労務士に直接依頼する場合は空欄のままで構いません。
- (10)委託事務内容
-
(9)委託事務組合を記入した場合にのみ記入します。
- (11)事業開始年月日
-
実際に事業を開始した日を記入します。
法人の場合は「法人の設立年月日」、個人事業主の場合は税務署に提出した開業届の「開業日」を記入してください。- 令和3年4月1日
- (12)事業廃止等年月日
-
空欄
- (13)建設の事業の請負金額
-
建設業以外の事業を行う場合は空欄のままで構いません。
- (14)立木の伐採の事業素材見込み生産量
-
(13)の建設業と同様に、建設業以外の事業を行う場合は空欄のままで構いません。
- (15)発注者
-
(13)の建設業と同様に、建設業以外の事業を行う場合は空欄のままで構いません。
- (16)種別
-
(13)の建設業と同様に、建設業以外の事業を行う場合は空欄のままで構いません。
- (17)住所〈カナ〉
-
事業所の所在地をカタカナで記入します。
- 郵便番号:193-0836
- 住所 市・区・郡名:ハチオウジシ
- 住所(つづき)町村名:ヒヨシチョウ
- 住所(つづき)丁名・番地:8-21
- 住所(つづき)ビル・マンション名等:空欄
- (18)住所〈漢字〉
-
事業所の所在地を漢字や数字で記入します。
- 住所 市・区・郡名:八王子市
- 住所(つづき)町村名:日吉町
- 住所(つづき)丁名・番地:8-21
- 住所(つづき)ビル・マンション名等:空欄
- (19)名称・氏名〈カナ〉
-
事業主の名称をカタカナで記入します。
- 名称・氏名:カブシキガイシャ
- 名称・氏名(つづき):アルトゥルループ
- 名称・氏名(つづき):空欄
- 電話番号〈市外局番〉〈市内局番〉〈番号〉:090-1997-3921
- (20)名称・氏名〈漢字〉
-
事業主の名称を漢字やアルファベットで記入します。
- 名称・氏名:株式会社
- 名称・氏名(つづき):altruloop
- 名称・氏名(つづき):空欄
- (21)保険関係成立年月日
-
(6)で記入した日付と同じ「初めて労働者を雇い入れた日」を記入します。
- 令和5年4月1日
- (22)事務処理委託年月日
-
(9)委託事務組合に記入がある場合のみ、事務処理の委託を開始した日を記入します。
- (23)常時使用労働者数
-
事業所で継続的に雇用する労働者の人数を記入します。パートやアルバイトであっても、期間を定めずに継続的に雇う予定であれば人数に含めます。
- 3人
- (24)雇用保険被保険者数
-
(23)で記入した労働者のうち、雇用保険の加入対象となる人数を記入します。
- 3人
- (25)加入済労働保険番号
-
既に他の支店などで労働保険に加入している場合はその保険番号を記入します。今回、初めて労働保険の手続きを行う場合、記入する必要はありません。
- 空欄
- (26)適用済労働保険番号1
-
建設業などの「二元適用事業」において、すでに雇用保険などの番号を別に取得している場合などに記入する欄です。一般的な事業所を新しく立ち上げる場合、記入する必要はありません。
- 空欄
- (27)適用済労働保険番号2
-
(26)と同様、空欄でかまいません。
- 空欄
- (28)事業主氏名(法人のときはその名称及び代表者の氏名)
-
事業主の名称、および代表者の氏名を記入します。
- 株式会社altruloop 代表取締役 野澤 惇
- (29)法人番号
-
13桁の法人番号を記入します。
- 4010101016915
※参考:国税庁 法人番号公表サイト
事業主・事業所情報の記入ポイント
様式の冒頭部分では、事業の種類(継続/有期)の選択と、事業所の基本情報を記入します。
- 種別欄:一般的な事業所は「0(継続)」、建設業など期間が予定されている事業は「1(有期)」を記入
- 提出先:「労働基準監督署長」のみを残し、「労働局長」「公共職業安定所長」を二重線で消す
- 事業所の名称・所在地:登記簿謄本の記載と 一字一句同じ 表記で記入。カナ・漢字はそれぞれ1マスに1字ずつ、濁点や半濁点も1マス使用
- 電話番号:代表番号を記入
法人の場合は本店または支店の所在地、個人事業主の場合は事業所(店舗・事務所等)の所在地を記入します。
事業の種類コードの調べ方


「事業の種類」欄には、自社の事業内容を具体的に記入します。「卸売業」「飲食店業」「不動産業」など、一般的な業種名で記入するのが基本です。
事業の種類コードは、厚生労働省告示第16号「労災保険率適用事業細目表」で確認します。この細目表には業種ごとに4桁のコード番号と労災保険料率が記載されており、自社の事業内容に最も近い区分のコードを記入します。
※業種判定を誤ると労災保険料率が変わり、後々の年度更新で差額精算が発生する原因になります。複数の事業を兼営している場合は「主たる事業」で判定するのが原則ですが、判断に迷う場合は労基署に確認しましょう。
保険関係成立年月日の書き方(初めて労働者を雇った日)
「保険関係成立年月日」には、労働保険が適用事業となった日 を記入します。継続事業の場合は、通常、最初の労働者を雇用した日と一致します。
重要なのは、この日付が 提出日の10日以上前の日付にならないこと です。つまり、10月1日に従業員を雇用したなら、10月11日までに成立届を提出する必要があり、成立年月日には「令和◯年10月1日」と記入します。
労働者数・賃金総額見込額の算出方法
労働者数と賃金総額の見込額は、概算保険料の計算にも直結する重要な項目です。
- 「常時使用労働者数」:雇用予定のすべての労働者数(正社員・パート・アルバイト含む)
- 「雇用保険被保険者数」:雇用保険の加入要件(週20時間以上・31日以上雇用見込み)を満たす労働者数
- 「一般」:一般被保険者・高年齢被保険者・短期雇用特例被保険者の合計数
- 「日雇」:日雇労働被保険者の数
- 「賃金総額の見込額」:保険関係成立日から 年度末(翌年3月31日)まで の期間に、労働者に支払う予定の賃金総額(千円未満切り捨て)
賃金には基本給・残業代・諸手当・賞与などが含まれますが、役員報酬(兼務役員の役員分)や退職金、慶弔見舞金などは除きます。見込額はあくまで概算で構いませんが、実態から著しく乖離すると年度更新時の精算額が大きくなるため、合理的な見積もりを心がけましょう。


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労働保険関係成立届を提出する際の添付書類
記入が完了したら、添付書類を揃えて提出します。
法人か個人事業主かで添付書類が異なる点に注意しましょう。
法人の添付書類(登記簿謄本のコピー+事業場確認書類)
法人の場合は以下の書類を添付します。
- 法人登記簿謄本(登記事項証明書)のコピー
- 事業場の確認書類(登記上の本店所在地と実際の事業所所在地が異なる場合:賃貸借契約書のコピー、公共料金請求書のコピーなど)
- 労働者名簿・賃金台帳(求められる場合あり)



登記簿謄本(登記事項証明書)は、主に法務局の窓口、郵送、またはオンライン(登記ねっと)で取得可能です。
個人事業主の添付書類(住民票+事業場確認書類)
個人事業主の場合は以下の書類を添付します。
- 代表者の住民票(または運転免許証のコピー)
- 事業場の確認書類(賃貸借契約書、営業許可証、公共料金請求書のコピーなど)
- 労働者名簿・賃金台帳(求められる場合あり)



住民票はコンビニで発行可能です。
労働保険関係成立届の提出方法(キャプチャ付き)
窓口・郵送での提出
紙で作成した成立届は、管轄の 労働基準監督署 の窓口に持参するか、郵送で提出します。窓口提出の場合は平日8時30分〜17時15分が開庁時間で、土日祝・年末年始は受付不可です。
窓口で提出すると、その場で 控え(受理印のあるもの) を返却してもらえます。この控えは後のステップ(雇用保険適用事業所設置届の提出時)で必要になるため、必ず受け取って保管しましょう。
e-Gov電子申請(GビズIDログイン→手続き選択→入力→送信)
e-Govを使った電子申請は、以下の流れで進めます。
gBizIDのサイトから申請書をダウンロードし、印鑑証明書とともに郵送することで、数週間で発行されます。
詳しくはデジタル庁の下記動画を参考にしてください。



GビズIDプライムアカウントは補助金の申請など、様々な場面で使用するため、ぜひこの際に取得しておきましょう。




労働保険関係成立届の書き方【記入例つき】を参考に必要情報を記入していきます。










成立届は概算保険料申告書との同時提出が原則
成立届は、「労働保険概算保険料申告書」と 同時に提出する のが原則です。概算保険料申告書は、成立日から年度末までの賃金総額見込額に保険料率を乗じて算出する1年分の前払い保険料の申告書で、同時提出することで以下のメリットがあります。
- 労基署への来庁が1回で済む
- 添付書類(登記簿謄本等)を共通化できる
- 概算保険料の金融機関での納付もまとめて処理できる
※別々に提出すると二度手間になるだけでなく、概算保険料の納付期限(50日以内)を失念するリスクが高まります。
成立届の提出後にやるべきこと
成立届の提出はゴールではなく、労働保険実務のスタートです。提出後に続く3つのタスクを押さえておきましょう。
労働保険番号の通知を待つ(電子申請の場合は審査終了時にマイページで確認)
成立届の受理後、その事業所固有の 「労働保険番号」(14桁)が付与されます。この番号は、以降のあらゆる労働保険手続き(概算保険料申告書、年度更新、雇用保険手続きなど)で使用する 基礎情報 となります。
- 窓口提出の場合:受理時に控えに番号が押印される
- 郵送の場合:後日、通知書が郵送される
- 電子申請の場合:審査終了時にe-Govのマイページで確認可能



e-Govの処理状況照会で「審査終了」になっているのに労働保険番号が表示されない場合は、到達番号と手続名を控えて管轄の労働局・監督署に問い合わせましょう。
雇用保険適用事業所設置届の提出(成立届の控えが必要)
労災保険の手続きが完了したら、次は雇用保険の手続きです。事業所を設置した日の翌日から 10日以内 に「雇用保険適用事業所設置届」をハローワークに提出します。
この手続きには、労働保険関係成立届の控え(受理済みのもの) の添付が必要です。成立届の控えを紛失すると再発行に時間がかかり、雇用保険の手続きも連動して遅れるため、控えの保管は徹底しましょう。
続けて、被保険者となる従業員ごとに「雇用保険被保険者資格取得届」を、資格取得日の属する月の翌月10日までに提出します。
概算保険料の納付
概算保険料申告書を成立届と同時に提出した場合、算出された概算保険料を成立日の翌日から 50日以内 に金融機関(銀行・郵便局)等で納付します。納付方法には以下の選択肢があります。
- 金融機関の窓口納付(納付書による現金納付)
- 電子納付(Pay-easy、インターネットバンキング)
- e-Gov電子申請と連動した電子納付
概算保険料額が一定以上の場合は、3回の分割納付(延納) も可能です。延納を希望する場合は、概算保険料申告書の該当欄で延納の希望を記載します。
労働保険関係成立届に関するよくある質問
成立届を提出しないとどうなりますか?
成立届を提出しないまま未手続き期間中に労災事故が発生した場合、「費用徴収制度」の対象となります。
故意の未手続きと認定されれば労災保険給付額の100%、重大な過失(雇用開始から1年以上未手続き)と認定されれば40%が事業主から徴収されます。加えて、最大2年分の保険料が遡って徴収され、10%の追徴金も上乗せされます。労働保険徴収法違反として6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性もあります。
控えを紛失した場合、再発行はできる?
成立届そのものの「控え」は基本的に再発行されませんが、管轄の労働基準監督署・労働局に問い合わせれば、労働保険番号を書面で通知してもらう ことは可能です。
雇用保険の適用事業所設置届で必要なのは労働保険番号を確認できる書類なので、通知書があれば手続きは進められます。ただし、処理に数日〜数週間かかる場合があるため、控えは紛失しないよう原本・コピー・PDFで三重に保管するのが実務的な安全策です。
建設業の場合の書き方はどう違う?
建設業は 二元適用事業 かつ 有期事業 として扱われるため、継続事業の成立届とは異なります。主な違いは以下の3点です。
①種別欄は「1(有期)」を選択
②労災保険と雇用保険で別個に成立届を提出
③工事現場ごとに保険関係が成立する場合が多く、工事期間や工事規模(請負金額)に基づく有期事業の保険料計算が必要
建設業の事業主が複数の小規模工事を行う場合は「一括有期事業」の特例も活用できます。
個人事業主でも提出は必要?
個人事業主でも、労働者を1人でも雇用すれば 成立届の提出義務があります。事業主本人と生計を一にする親族のみで運営している場合は原則として対象外ですが、他人である従業員を雇った瞬間に労働保険の適用事業となります。添付書類は法人と異なり、登記簿謄本に代えて 代表者の住民票 を提出します。
事業所の移転があった場合の手続きは?
事業所を移転した場合は、成立届ではなく「労働保険名称、所在地等変更届」を提出します。提出期限は変更のあった日の翌日から10日以内で、移転先の所在地を管轄する労働基準監督署に提出します。移転により管轄の労働局が変わる場合には、従前の労働保険番号が引き継がれるかどうかも含めて確認が必要です。こちらもe-Govで電子申請が可能です。
まとめ
労働保険関係成立届は、労働保険制度の入口に位置する重要な書類です。
- 提出期限は 保険関係成立日の翌日から10日以内
- 様式第1号は 特殊用紙のため窓口で入手(電子申請ならダウンロード不要)
- 事業の種類コードは厚労省「労災保険率適用事業細目表」で確認
- 法人は登記簿謄本のコピー、個人事業主は住民票が必須添付書類
- 概算保険料申告書との同時提出 が実務の鉄則
- GビズIDを使ったe-Gov電子申請なら、24時間受付+グループ申請が可能
- 提出後は労働保険番号の控えを確実に保管し、雇用保険適用事業所設置届へ
労働保険関係成立届そのものは1枚の書類ですが、その背後には労働保険徴収法、労災保険法、雇用保険法が絡み、記入を誤れば保険料計算・年度更新・雇用保険の各種手続きに波及する重要な手続きです。特に会社設立期は他の届出とも重なる時期のため、初回は専門家のサポートを受けて確実に処理しておくことが、後々の労務リスクを大きく減らす投資となります。
社労士事務所altruloopでは、労働保険関係成立届の作成・提出代行から、概算保険料申告書・雇用保険適用事業所設置届・被保険者資格取得届の一式手続き、就業規則・給与計算の立ち上げまで、企業様の労務基盤をワンストップでサポートしています。会社設立・初めての採用で労働保険手続きにお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。








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