【2026年対応】育児介護休業規程の最新テンプレート | 使用する上でのポイントや作成後の流れまで解説

働き方の多様化や少子化対策の一環として、育児・介護休業法は頻繁に改正が行われています。
特に2025年(令和7年)の改正法施行に伴い、多くの企業で規程の見直しが必要となりました。「サンプルやひな形はどう選べばいい?」「最新の法改正に対応できているか不安」といった悩みを抱える人事労務担当者様も多いと思います。

この記事では、社会保険労務士が、最新の法改正を反映した育児介護休業規程のテンプレートや、作成後の流れまで解説します。

社労士事務所altruloop監修の育児介護休業規程のテンプレートも準備していますので最後まで読んでいただけますと幸いです。

この記事でわかること
  • 育児介護休業規程の定義と、作成・届出が必要な要件
  • 2025年の法改正
  • 規程に盛り込むべき「必須記載事項」とトラブルを防ぐための注意点
  • 社労士事務所altruloopのテンプレート規程を活用した効率的な作成手順
  • 労働基準監督署への届出フローと過半数代表者の選出手続き
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目次

育児介護休業規程とは?

育児介護休業規程の定義と労働基準法上の位置づけ

育児介護休業規程とは、従業員が育児や介護を理由に休業したり、短時間勤務を利用したりする際のルールを定めた社内規程のことです。

労働基準法上、これは会社のルールブックである「就業規則」の一部とみなされます。本来であれば就業規則本則の中にすべて記載しても良いのですが、育児・介護に関するルールは非常に細かく、法改正も頻繁にあるため、本則とは切り離して「別規程」として作成・運用するのが一般的です。別規程であっても、就業規則の一部であることに変わりはないため、法的効力は就業規則と同等です。

作成・届出の義務と対象事業所

就業規則(およびその付属規程である育児介護休業規程)の作成と労働基準監督署への届出義務があるのは、「常時10人以上の労働者を使用する事業所」です。

ここでいう「労働者」には、正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイトも含まれます。

ただし、10人未満の事業所であっても、育児・介護休業法はすべての企業に適用されます。「うちは人数が少ないから規程は作らない」としていても、従業員から申し出があれば法律通りの休業を与える義務があります。そのため、労使間のトラブルを防ぐ観点からも、従業員数に関わらず作成しておくことを推奨します。

規程がない場合、不備がある場合の企業リスク

規程が存在しない、あるいは内容が古く現在の法律に対応していない場合、以下のようなリスクが想定されます。

  • 労使トラブルの発生
    休業中の社会保険料の扱いや、復帰後の給与・配置について明確なルールがないと、「言った言わない」のトラブルになります。
  • 助成金の不支給
    「両立支援等助成金」など、育児・介護に関する助成金を申請する場合、法律に準拠した就業規則(育児介護休業規程)が整備されていることが必須条件となります。
  • 法令違反による指導
    法改正に対応していない場合、労働局からの是正指導の対象となる可能性があります。

最新の法改正のポイント

最近の改正内容と企業が取るべき対応策

特に2025年から育児・介護休業法が段階的に改正されています。改正内容としては以下があります。

1. 所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大
これまで「3歳に満たない子」を養育する労働者が対象でしたが、これが「小学校就学の始期に達するまでの子(小学校入学前まで)」に拡大されました。

2. 子の看護休暇の見直し
名称が「子の看護休暇」に変更されました。

対象となる事由が、病気やけがだけでなく、「感染症に伴う学級閉鎖」や「入園式・卒園式等の行事参加」なども含まれるようになります。

3. 柔軟な働き方を実現するための措置
3歳から小学校入学前までの子を養育する労働者に対し、テレワークや時差出勤、短時間勤務などの中から複数の選択肢を用意し、労働者が選べるようにする措置が義務化されました。

企業が取るべき対応策
これらの内容は法律で定められた権利となるため、社内規程を「3歳まで」から「小学校入学前まで」等へ書き換える必要があります。

社労士:野澤惇

ただ書きかえるだけでなく、制度を理解した上でオペレーションに組み込むことが重要です!

法改正に対応した規程が求められる理由

法律は「最低基準」を定めたものです。もし就業規則(育児介護休業規程)の内容が最新の法律よりも従業員にとって不利な場合(例:法律は小学校入学前まで残業免除なのに、規程は3歳までとなっている場合)、その規程の部分は無効となり、法律の基準が適用されます。

しかし、規程に古い情報が残っていると、従業員が「自分は対象外だ」と誤解したり、現場の管理職が誤った対応をしてしまったりする原因になります。

コンプライアンス遵守はもちろんのこと、従業員が安心して働ける環境を整えるためにも、2025年の改正に合わせて速やかに規程をアップデートしましょう。

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規程に必ず記載すべき「必須記載事項」

育児休業に関する必須記載事項

対象者の範囲と申出の手続き

誰が育児休業を取得できるのか、その条件を明確にします。

原則として1歳未満の子を養育する労働者が対象ですが、有期雇用労働者(契約社員など)の場合の要件も法律通りに記載する必要があります。また、「入社1年未満の従業員」を除外する場合は、労使協定が必要になる点も明記しましょう。

社労士:野澤惇

申出の手続きについては、「休業開始予定日の1ヶ月前までに書面で申し出る」といった具体的な期限と方法を定めます。

休業期間と休業中の賃金の取り扱い

休業期間
原則として子が1歳になるまでですが、保育所に入れないなどの事情がある場合は1歳6ヶ月、最長2歳まで延長可能です。「パパ・ママ育休プラス」や「産後パパ育休(出生時育児休業)」についても定めます。

賃金の取り扱い
休業期間中の賃金を「有給」にするか「無給」にするかは、会社の判断に委ねられています。多くの企業では「無給」とし、その代わりに雇用保険から「育児休業給付金」が支給される仕組みを採用しています。規程には「育児休業期間中は給与を支給しない」と明記しておくことが重要です。ここが曖昧だと、給与支払い義務が発生しかねません。

介護休業に関する必須記載事項

対象家族の範囲と申出の手続き

介護休業の対象となる「対象家族」の定義(配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫)を記載します。

社労士:野澤惇

申出の手続きは、育児休業と同様に「休業開始予定日の2週間前までに」などの期限を設定します。

休業期間と子の看護休暇・介護休暇の定め

休業期間
対象家族1人につき、通算して93日まで、3回を上限として分割取得できることを記載します。

休暇の定め(子の看護休暇・介護休暇)
休業」とは別に、単発で取得できる「休暇」についても記載が必要です。

  • 子の看護休暇: 年5日(子が2人以上の場合は10日)、時間単位での取得が可能。
  • 介護休暇: 年5日(対象家族が2人以上の場合は10日)、時間単位での取得が可能。
    ※これらについても、有給か無給かを明確にしておきます。

社労士監修の育児介護休業規程のテンプレート(雛形)

(社労士監修)育児介護休業規程テンプレート

インターネット上には様々なテンプレートが存在しますが、中には法改正が反映されていない古いものも混在しています。

社労士事務所altruloopでは2025年10月までの改正に対応したテンプレートを用意していますので、費用を抑えて作成したい事業主様はぜひ活用してください。

ダウンロード:育児介護休業規程 テンプレート

このモデル規程は法律の条文を網羅していますが、企業ごとに異なる部分もあります。内容をしっかり読んだ上で企業ごとに直すべき部分はしっかり直してください。

テンプレートを自社にカスタマイズする際のポイント

規則のテンプレートは、必ず自社の実情に合わせて書き換える必要があります。

テンプレートはあくまで「例」です。特に以下の点は自社に合わせて調整してください。

修正ポイント

  • 会社の名称:当然ですが、変更忘れが多い箇所です。
  • 管轄部署:申請書の提出先(総務部、人事部など)。
  • 独自の制度:法律を上回る制度(例:3歳まで育休可能、育休中も一部有給など)がある場合は、その内容を正確に反映させる。

規程例をそのまま利用した場合に起こるトラブル事例

実態と異なる「有給扱い」の記述や、不要な条文を残したままにすることで、未払い賃金などのトラブルが発生します。

よくある失敗例
①モデル規程で「有給とする」となっている箇所を修正せずにそのまま採用してしまい、実際に休業した従業員から給与を請求されるケースです。
②労使協定を結んでいないのに「入社1年未満の者を除く」という条文を入れてしまい、法的に無効となるケースも見受けられます。規程と実務(および労使協定)の整合性は必ず確認しましょう。

育児介護休業規程の作成後のSTEP

STEP1:意見聴取の手続きと過半数代表者の選出

規程を作成・変更する際は、労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、意見書を作成する必要があります。

これは「同意」を得る必要まではありせんが、「意見」を聴くことが法的な義務です。過半数代表者は、管理監督者ではない者の中から、投票や挙手などの民主的な手続きで選出する必要があります。会社側が指名した人は認められませんので注意してください。

STEP2:労働基準監督署への届出と添付書類

所轄の労働基準監督署へ、作成した規程と意見書をセットにして届け出ます。

届出は、窓口への持参、郵送、またはe-Govを通じた電子申請で行えます。

必要なもの

  • 就業規則変更届(または作成届)
  • 意見書(従業員代表の記名があるもの)
  • 育児介護休業規程(作成・変更したもの)
社労士:野澤惇

これらを2部用意し(電子申請以外)、1部は監督署の受領印をもらって会社控えとして大切に保管してください。

参考:規程の変更・改定のタイミング

法改正の施行日、または自社の制度変更を行う日までに、改定と届出、従業員への周知を完了させます。

理想的には、法改正の施行日までに新しい規程を整備し、従業員へ周知しておくことです。施行日を過ぎてから慌てて変更する場合でも、法の効力は施行日から発生しているため、実務上の不整合が起きないよう速やかに対応しましょう。また、規程を変更した際は、メールや社内掲示板、書面配布などで、必ず全従業員が見られる状態にしておく(周知義務)必要があります。

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まとめ

育児・介護休業規程の整備は、単なる法的義務の履行にとどまりません。最新の法改正に対応し、従業員がワークライフバランスを保ちながら働ける環境を整えることは、優秀な人材の定着や採用力強化に直結します。2025年、2026年と変化する法律に遅れることなく、適切な規程運用を目指しましょう。

本記事のまとめ
  • 育児介護休業規程は就業規則の一部であり、常時10人以上の事業所には届出義務がある。
  • 2025年4月の改正法(残業免除の期間延長、子の看護等休暇の拡充など)への対応は必須。
  • 「休業中の賃金(無給か有給か)」や「対象者の範囲」は自社の実態に合わせて調整する。
  • 作成・変更後は必ず従業員代表の意見を聞き、労働基準監督署へ届け出る。
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監修者(社労士)

社会保険労務士
就業規則作成・労務監査・労務DD等の人事労務のコンサルティング領域を得意とする。前職の戦略コンサルファームでは新規事業立ち上げや組織改革に従事し、大手〜スタートアップまで幅広い企業の支援実績あり。
現在は東京都渋谷区や八王子を拠点にしている社労士事務所altruloop(アルトゥルループ)代表として、全国対応で実務と経営の両視点から企業を支援中。

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