医療保険の相談前に知っておきたいこととは?高額療養費制度との関係と相談窓口の選び方をファイナンシャルプランナーが解説

「高額療養費制度があるのに民間の医療保険にも入るべき?」「持病があっても入れるの?」など、医療保険に関する疑問を抱える方は多くいらっしゃいます。 保険の必要性を判断するには、まず公的保障を正しく理解することが欠かせません。

この記事では、高額療養費制度の仕組みをはじめ、民間医療保険の必要性や賢い選び方、中立的な相談窓口の見極め方までを現役のファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説します。 

この記事でわかること
  • 医療保険を相談する前に知っておきたい公的保障(高額療養費制度)の仕組み
  • 高額療養費制度があっても民間医療保険が必要になるケース
  • 医療保険の適切な保障額や特約の選び方
  • がん・三大疾病への備えや、持病がある場合の相談のポイント
  • 中立的に医療保険を相談できる窓口の選び方
この記事の監修者

【西山 尚志 | ファイナンシャルプランナー】
株式会社altruloopフィナンシャルパートナーズ マネージャー
個人・法人保険及びファイナンシャルプランナーとして、個人のライフプランニングから法人の経営課題解決まで、多角的な視点でトータルサポートを提供している。保険商品の販売にとどまらず、保険募集人として、高度な専門性と倫理観を持ち、客観的かつ公正な立場から、顧客の最善の利益を追求する。

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目次

医療保険を相談する前に知っておきたい「高額療養費制度」

医療保険を考える前に、まず公的な医療保障である「高額療養費制度」を理解しておくことが大切です。

高額療養費制度とは

1か月の医療費の自己負担が上限額を超えた際、その超過分が払い戻される公的な制度です。 

上限額は年齢や所得によって異なります。たとえば、年収約370万〜770万円の方の場合、医療費が100万円かかったとしても、自己負担は約9万円程度に抑えられます。

出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ

上記のように、高額な治療費がかかっても自己負担には「天井」が設けられているため、万が一の大きな出費に対する強力なセーフティネットとなります。

2026年8月から自己負担上限が引き上げられる

医療費の伸びなどを背景に、所得区分がより細かく分けられ、さらに2027年(令和9年)8月にかけて段階的に負担額が増加していく仕組みです。また、新たに「年間上限」が設けられるのも大きな変更点です。

出典:厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて

このように、公的な医療保障は自己負担が増える(保障が縮小する)方向へと舵を切っています。

「これまで公的保障で十分だと思っていたけれど、本当に大丈夫だろうか?」と見直すには、まさに今が良いタイミングと言えるでしょう。

いつ、どのように見直せば損をしないかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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高額療養費制度でもカバーされない費用

非常に心強い制度ですが、以下の費用は対象外となり全額自己負担となります。 

  • 差額ベッド代(個室などを利用したときの追加料金)
  • 先進医療の技術料(全額自己負担になることがある)
  • 入院中の食事代・日用品・家族の交通費など
  • 治療中の収入の減少(自営業など、傷病手当金がない場合)
出典:公益財団法人 生命保険文化センター「令和4年度 生活保障に関する調査

生命保険文化センターの調査によると、差額ベッド代や食事代などを含めた「1日あたりの自己負担額」の平均は24,300円となっています。

このように、公的制度を利用しても日々の出費は確実に積み重なっていきます。民間医療保険を検討する際は、この「公的保障でカバーされない部分」を貯蓄でまかなえるかどうかが判断の分かれ道になります。


高額療養費制度があっても民間医療保険が必要なケース

高額療養費制度があるなら民間の医療保険は不要なのか、気になるところです。ここでは必要なケースと必要性が低いケースを整理します。

民間医療保険が役立つケース

次のようなケースでは、民間医療保険が役立ちます。

  • 差額ベッド代や先進医療費など、公的保障でカバーされない費用に備えたい
  • 自営業・フリーランスで傷病手当金がなく、治療中の収入減少が不安
  • 貯蓄が少なく、まとまった医療費の出費に不安がある
  • がんなど、長期治療や収入減少が見込まれる病気に備えたい

公的保障の不足分を補いたい場合や、収入減少のリスクが大きい場合には、民間医療保険が安心材料になります。

民間医療保険の必要性が低いケース

一方で、次のようなケースでは必要性が低いといえます。

  • 十分な貯蓄があり、自己負担分を貯蓄でまかなえる
  • 会社員で傷病手当金があり、収入減少のリスクが小さい
  • すでに手厚い保障に加入している(重複に注意)

貯蓄や公的保障で十分に備えられている場合は、無理に民間医療保険に入る必要はありません。

「必要かどうか」は人によって異なる

医療保険が必要かどうかは、人によって異なります。

公的保障・貯蓄・働き方・家族構成によって、必要性は変わってきます。「みんな入っているから」という理由ではなく、自分の状況に照らして判断することが大切です。判断に迷う場合は、中立的な相談先で、公的保障を踏まえて整理してもらうとよいでしょう。

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医療保険の保障額・特約の選び方

医療保険に入る場合、保障額や特約をどう選べばよいのでしょうか。考え方を見ていきましょう。

入院給付金・手術給付金の考え方

医療保険の基本となるのが、入院給付金手術給付金です。

入院給付金は、入院1日あたりいくら受け取れるか(日額)を、差額ベッド代などを目安に設定します。手術給付金は、手術を受けたときにまとまった給付が受けられるものです。近年は入院期間が短くなる傾向があり、入院日数に応じた給付だけでなく、入院時にまとまった額を受け取れる一時金タイプの保障も増えています。

がん・三大疾病への備え

がん・心疾患・脳血管疾患には、専用のがん保険や三大疾病特約で手厚く備えることができます。 

診断一時金は、診断されたときにまとまった一時金が受け取れ、使い道が自由なのが特徴です。これらの病気は治療が長引いたり、収入が減ったりすることがあるため、高額療養費制度で医療費が軽減されても、収入減少や雑費に備える意味があります。

特約は必要なものを見極める

あれもこれもと特約を付けると、保障が手厚くなる分、保険料が家計を圧迫してしまいます。 

自分に本当に必要な保障を見極め、過剰な特約は避けることが、保険料と保障のバランスをとるポイントです。


持病がある場合の医療保険の相談

持病があると医療保険に入れないのではと心配な方もいます。持病がある場合の選択肢を見ていきましょう。

持病があっても入れる保険の種類

「持病があると保険に入れないのでは」と心配される方のために、審査基準が緩やかな保険が用意されています。 

主な種類は次のとおりです。

  • 引受基準緩和型医療保険:告知項目が少なく、持病があっても入りやすい
  • 無選択型医療保険:告知なしで入れるが、保険料が高めで保障に制限がある

これらは通常の医療保険より保険料が高くなる傾向がありますが、持病がある方でも加入できる選択肢として用意されています。

持病がある場合の相談のポイント

持病がある場合は、相談の進め方にポイントがあります。

  • まず通常の医療保険に入れないか確認する(持病があっても入れる場合がある)
  • 複数社の引受基準を比較する(会社によって基準が異なる)
  • 告知は正確に行う(告知義務違反は給付を受けられない原因になる)

持病があるからといってあきらめず、複数社を比較して相談することが大切です。持病がある場合こそ、複数社を扱う窓口で比較しながら相談すると、入れる保険が見つかりやすくなります。


医療保険を中立的に相談できる窓口の選び方

医療保険を相談するなら、中立的に比較できる窓口を選びたいものです。その選び方を解説します。

医療保険を相談できる窓口の種類

医療保険を相談できる窓口には、いくつかの種類があります。

  • 無料保険相談窓口(複数社を比較できる)
  • 保険会社の窓口(1社の商品に詳しい)
  • 独立系FP(中立的に家計全体から相談できる・有料)

無料の保険相談窓口と独立系FP(有料)では、提案の中立性や相談できる範囲が異なります。自分は誰に相談すべきか迷う方は、こちらの記事も参考にしてください。

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中立的に比較できる窓口を選ぶポイント

中立的に比較するには、窓口選びのポイントを押さえましょう。

  • 取扱保険会社数が多いほど、比較の幅が広い
  • 公的保障(高額療養費制度)を踏まえて提案してくれるか
  • 押し売りがないか、担当者変更制度があるか
  • 複数の窓口で相談して比較する

特に、公的保障を踏まえて「本当に必要な保障は何か」を提案してくれる窓口は信頼できます。公的制度を無視して過剰な保険を勧める窓口は避けましょう。

複数社を比較したいけれど、店舗に行く時間がない」という方には、自宅で受けられるオンライン相談もおすすめです。店舗や訪問相談との違い・選び方は、こちらの記事で比較しています。

https://altruloop.com/column/online-insurance-consultation

相談前に準備しておくとよいもの

より的確なアドバイスを受けるために、以下のものを準備しておくと相談がスムーズです。 

  • 現在加入している保険証券(見直しの場合)
  • 健康状態や持病の情報(告知に関わる)
  • 貯蓄の状況や家計の希望
  • 相談したいことや不安に思っている点のメモ

これらを用意しておくと、相談員が状況を把握しやすくなり、より的確なアドバイスを受けられます。

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医療保険相談でよくある質問

高額療養費制度があるのに医療保険は必要ですか?

貯蓄や働き方によって異なります。

高額療養費制度では差額ベッド代や先進医療費、治療中の収入減少はカバーされないため、これらの費用を貯蓄でまかなうのが不安な場合は、民間医療保険を検討する余地があります。

医療保険の入院給付金は1日いくらに設定すべきですか?

差額ベッド代などを目安に設定するとよいでしょう。

入院給付金の日額に一律の正解はありません。差額ベッド代や入院中の雑費などを目安に、自分の貯蓄や働き方を踏まえて設定するのが現実的です。近年は一時金タイプの保障もあるため、あわせて検討するとよいでしょう。

がんに備えるならがん保険と医療保険のどちらがいいですか?

役割が異なるため、目的によって選びます。

医療保険は入院・手術を幅広くカバーするもの、がん保険はがんに手厚く備えるものです。がんに重点的に備えたいならがん保険、幅広い病気やケガに備えたいなら医療保険が向いています。両方を組み合わせる方法もあります。

持病がありますが医療保険に入れますか?

入れる可能性があります。

持病があっても、引受基準緩和型などの保険で入れる可能性があります。まずは通常の医療保険に入れないかを確認し、複数社の引受基準を比較するとよいでしょう。告知は正確に行うことが大切です。

医療保険の相談は無料でできますか?

無料でできます。

無料保険相談窓口であれば、医療保険の相談を無料で利用できます。より中立的な助言を求める場合は、有料の独立系FPという選択肢もあります。

なぜ無料で相談できるのか、その仕組みや「手数料の高い商品を勧められないか」といった注意点については、こちらの記事で裏側を解説しています。

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まとめ

医療保険を検討する際は、「高額療養費制度」などの公的保障を理解することが最初のステップです。そのうえで、差額ベッド代や収入減少といった「公的保障でカバーされないリスク」に対し、ご自身の貯蓄や働き方で対応できるかを考えましょう。 

本記事のまとめ
  • 医療保険検討の第一歩は「高額療養費制度」の理解から
  • 2026年8月から自己負担上限が引き上げ予定(公的保障は縮小傾向)
  • 差額ベッド代や先進医療費、収入減少は民間保険で備える
  • 持病があっても、引受基準緩和型など複数社を比較すれば入れる可能性がある
  • 相談窓口は「公的保障を踏まえて提案してくれるか」で選ぶ

本当に自分に必要な保障がわからない、お金周りについてプロに相談したいという方は、ぜひ「altruloopフィナンシャルパートナーズ」の無料相談をご活用ください。

公的保障を踏まえたうえで、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なプランを中立的な立場でご提案いたします。 

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