労務監査とは|労務DDとの違い
労務監査は、労働時間・賃金・社会保険・就業規則などの運用が、法令と自社の規程どおりに行われているかを点検する調査です。見るのは「規程があるか」ではなく「実態が規程と法令どおりに動いているか」。書類・データ・インタビューの3方向から突き合わせ、ずれている箇所を指摘事項として洗い出します。
書類
- 就業規則・賃金規程・各種規程
- 36協定などの労使協定と届出の控え
- 労働者名簿・賃金台帳・出勤簿
- 雇用契約書・業務委託契約書
データ
- 勤怠の打刻・申請・承認の記録
- 給与の支給・控除の明細
- PCログ・入退室の記録
- 社会保険・労働保険の届出履歴
インタビュー
- 経営者
- 管理部門(人事・労務・経理)
- 現場の責任者
- 口頭で運用しているルールの確認
3つが食い違っている箇所が、指摘事項になる
労務監査と労務DD(デューデリジェンス)の違い
調べる観点はほぼ同じで、違うのは「何に使うか」です。労務監査は自社が直すため、労務DDは第三者に説明するための調査です。労務DDはM&Aだけでなく、IPOの準備でも監査法人や主幹事証券から求められることがあります。
自社のリスクを把握し、是正の出発点にする
目的
第三者がリスクを評価する(買収の判断、上場審査の前提)
自社の判断(経営者・管理部門)
依頼のきっかけ
M&Aの買い手・投資家、IPOでは監査法人・主幹事証券からの求め
労務全般を網羅し、現場の運用まで
調査の範囲
金額の影響が大きい項目を優先
監査報告書と是正計画
成果物
DD報告書(第三者に提出できる形で、リスク評価・金額の試算)
是正と運用の定着まで、一気通貫で伴走
その後
M&A:価格・契約条件に反映
IPO:指摘事項の是正へ
監査法人や主幹事証券から労務DDを求められた方へ提出用のDD報告書の作成から、指摘事項の是正と運用定着まで、一気通貫で対応します。
IPO労務DDについて相談する
社労士法の改正で、労務監査は社会保険労務士の業務に明記
2025年6月に公布・施行された改正社会保険労務士法で、労務監査が社会保険労務士の業務として法律に明記されました。
原文社会保険労務士法 第2条第1項第3号(抜粋)
対象:事業における労務管理その他の労働に関する事項、労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項
法令並びに労働協約、就業規則及び労働契約の
遵守の状況を監査すること
概要第9次社会保険労務士法改正
- 社会保険労務士の使命に関する規定の新設
- 労務監査に関する業務の明記
- 裁判所への出頭・陳述に関する規定の整備
- 名称の使用制限の明記
- 成立
- 2025年6月18日
- 公布・施行
- 2025年6月25日
労務監査が必要になる場面
労務の問題は、外部から指摘されてから動くと、清算と是正に加えて「直した後の運用実績」まで求められ、時間もお金も取り返しにくくなります。次のような場面では、外部から確認が入る前に自社で点検しておくのが確実です。
- 上場準備を始める主幹事証券や監査法人の確認より前に、労務の全体像をつかんでおきたい
- 会社の売却・M&Aを控えている買い手の労務DDで価格を下げられる前に、指摘を先に解消しておきたい
- 従業員が50人・100人を超えた産業医・衛生委員会・ストレスチェックなど、人数で増える義務を確かめたい
- 労働基準監督署の調査や是正勧告を受けた指摘された点以外にも、同じ問題が残っていないか確かめたい
- 取引先や親会社から労務管理の確認を求められた取引先の監査や、サプライチェーンでの労働環境の確認に回答したい
- 社労士の変更や、労務担当者の退職があったこれまでの手続きと運用に漏れがないか、一度棚卸ししたい
IPO準備で求められる労務管理|審査で見られる7つの領域
上場審査では「法令違反がないか」だけでなく「違反が起きない仕組みが運用されているか」が問われます。労務は未払賃金という簿外債務に直結するため、主幹事証券・監査法人が早い段階で確認する領域の一つです。
簿外債務に直結する領域
01
労働時間・未払賃金
3年
未払残業代をさかのぼる期間
- 客観的な勤怠の記録
- サービス残業を防ぐ仕組み
- 過去分の清算
02
管理監督者・みなし労働
3年
適用が否認されたときの残業代の対象期間
- 名ばかり管理職
- 事業場外みなしの要件
- 裁量労働制の要件
03
社会保険・労働保険
2年
保険料をさかのぼって納める期間(最大)
- 加入漏れ
- さかのぼって加入したときの対応
- 保険料の申告
体制・ルールの領域
04
36協定・長時間労働
45時間
時間外労働の原則の上限(月)
- 上限の遵守と管理
- 医師による面接指導
- 違反時の再発防止策
05
規程・協定・帳簿
10人
就業規則の作成・届出が必要になる人数
06
安全衛生・ハラスメント
50人
産業医・衛生委員会・ストレスチェックが必要になる人数
- 健康診断・面接指導
- 相談窓口の実効性
- 休職・復職の運用
07
雇用形態の適法性
2.7%
障害者の法定雇用率(2026年7月〜)
- 業務委託の労働者性
- 派遣・出向の適法性
- 法定雇用率の達成
労務を後回しにすると起きること
スケジュールが遅れる
1年以上
直前期に未払賃金が見つかると、清算・是正・運用実績の確認が必要になり、申請期がずれることがあります。
一度にキャッシュアウトする
約9,000万円
従業員100名・月10時間の未払い・割増後の時給2,500円で、過去3年分を清算した場合の試算です。社会保険料の遡及(最大2年分)は別に発生します。
内部統制の評価に響く
経営者の姿勢
労務管理の不備は、経営者の法令遵守の姿勢として見られ、審査全体の印象に影響します。
上場準備の段階に合わせてご提案します準備に着手した時期と、主幹事証券・監査法人から受けている指摘をお聞かせください。
IPOの労務について相談する
労務監査のチェック項目
チェック項目は大きく6つの観点に分かれます。未払賃金や社会保険の遡及など、金額に直結する項目ほど優先して深く調べます。
労働時間・賃金簿外債務に直結
- 労働時間の把握とPCログとの乖離
- 固定残業代・管理監督者の有効性
- みなし・裁量・変形労働の要件
- 休憩・休日・深夜の割増賃金
確認する資料勤怠記録、PCログ、賃金台帳、賃金規程
社会保険・労働保険簿外債務に直結
- パート・役員・外国籍の加入漏れ
- 標準報酬月額の届出漏れ
- 労働保険料の申告漏れ
- 遡及加入の負担額(最大2年)
確認する資料労働者名簿、賃金台帳、届出の控え
規程・協定・帳簿法令違反・是正の対象
- 就業規則の法改正対応・届出・周知
- 36協定と過半数代表者の選出
- 労働条件通知書の明示事項
- 法定三帳簿の記載と保存
確認する資料就業規則、労使協定、法定三帳簿
雇用形態・契約簿外債務・紛争
- 業務委託の労働者性(偽装請負)
- 派遣・出向の適法性
- 無期転換・同一労働同一賃金
- 在留資格と業務内容の整合
確認する資料業務委託契約書、派遣契約書、雇用契約書
安全衛生・ハラスメント法令違反・紛争
- 健康診断・ストレスチェック・衛生委員会
- 長時間労働者への面接指導
- ハラスメント相談窓口の対応
- 休職・復職の運用
確認する資料実施記録、衛生委員会の議事録、休職規程
組織・人件費事業価値
- 人員構成と離職率の推移
- 人件費と退職金・賞与の債務
- キーパーソンの離脱リスク
確認する資料社員名簿、賃金台帳、組織図
指摘事項は重要度を4段階で評価
指摘は一覧に並べるだけでは、どれから直すべきかが分かりません。審査や取引への影響と金額の大きさで4段階に分け、是正の順番を決める材料にします。
優先度が高い
Lv.4
審査・取引を止めうる
多額の未払残業代
36協定のない残業
Lv.3
金額が大きく早期に是正
社会保険の加入漏れ
管理監督者の範囲
Lv.2
法令違反・影響は限定的
通知書の明示漏れ
帳簿の記載漏れ
自社がどの項目に当てはまるか分からない方へ就業規則・36協定と、直近の勤怠・給与のデータを拝見し、重要度の高い論点から先にお伝えします。
労務監査について相談する
労務監査の流れと期間
資料のご依頼から是正計画の確定まで、標準で4〜8週間です。資料は初回にまとめてご依頼し、インタビューは1〜2日に集約して、貴社の負担を抑えます。
時期
1〜2週目
3週目
4〜6週目
7〜8週目
内容
資料の依頼・レビュー規程・協定・帳簿と勤怠・給与のデータをまとめて受け取り、法令との適合と実態を突き合わせる
インタビュー経営者・管理部門・現場の責任者に運用の実態をうかがう(オンライン可、1〜2日)
評価・金額の試算指摘を重要度4段階で評価し、未払賃金と社会保険の遡及額を試算する
報告・是正計画報告会で全体像を共有し、優先順位・担当・期限を入れた是正計画を確定する
ご用意いただく資料
就業規則・規程
36協定・労使協定
法定三帳簿
勤怠・給与データ
雇用契約書
社会保険の届出
健康診断の記録
納品物
監査報告書指摘事項と重要度の評価(4段階)、根拠となる法令・規程、インタビューの記録
金額の試算未払残業代(過去2〜3年分)と、社会保険のさかのぼり加入の負担額(最大2年分)
是正計画是正の優先順位・担当・期限と、規程・協定の改定リスト(条文ごとの変更前・変更後と理由)
IPO労務是正の全体像
監査で見つけた指摘は、直して終わりではありません。審査では是正した後の運用実績も確認されます。監査・是正・運用定着を、上場まで一気通貫で伴走します。
N-3期準備着手N-2期直前々期N-1期直前期N期申請期上場後
労務監査4〜8週間
監査
全体を点検し、未払賃金・社会保険の遡及額を試算。是正計画を決める
労務是正6〜12か月
是正
勤怠管理の作り直し、過去分の清算、規程・協定の改定と届出
運用定着・審査対応直前期〜上場
運用実績づくり・審査対応
社内で継続
期首から是正済みの状態で運用し、主幹事証券・監査法人・取引所の質問に回答
是正を形だけで終わらせない3つのポイント
POINT 01
仕組みで防ぐ
- 記録
- 承認
- 集計
- 給与
指摘を一つずつ直すのではなく、勤怠の記録から給与までの流れごと作り直し、人が気をつけなくても違反が起きない状態にします。
POINT 02
実態と書類を一致させる
規程・協定・契約書=実際の働き方
規程や協定を実際の働き方に合わせて改定し、審査で「書いてあることと違う」と言われない状態にします。
POINT 03
回し続ける体制をつくる
- 現場の管理職
- 承認
- 管理部門
- 締め・確認
- 当事務所
- 月次チェック
工程ごとに担い手を決め、上場後も社内で回る体制にします。
勤怠の記録が残っていない期間の未払賃金を、どう清算するか
事業場外みなし労働時間制を要件を満たさないまま適用していたなど、実際の労働時間の記録がない期間が見つかることがあります。一人ひとりの記憶による申告に頼ると、金額の根拠が主観的になり、第三者に説明できません。当事務所では次の順で清算を設計します。
- 制度の適用の可否を先に確定するみなし労働時間制などが要件を満たしていたかを事実から整理し、必要に応じて弁護士の意見を得て結論を出します
- 社内に残る記録から労働時間を推計するPCログ・入退室の記録・チャットの稼働・案件のアサイン記録などを棚卸しし、どの資料をどの順で使うかのルールを先に決めます
- 共通のロジックで金額を算定する職位・案件・繁閑・勤務形態・在籍期間などで従業員をグループに分け、同じ計算方法で金額が決まるようにします
- 金額の算定と、個別の合意を分ける金額は共通のロジックで出し、受け取りは一人ひとりとの合意書で確定させます。並行して今後の勤怠の記録を始め、未払いが積み上がる状態を止めます
労務監査・IPO労務是正支援の料金
労務監査
500,000円〜
期間 4〜8週間・税別
ご支援内容の一例
- 労務全般の網羅的な点検
- 指摘の重要度の評価と金額の試算
- 是正計画の策定(優先順位・担当・期限)
労務是正
1,000,000円〜/月
期間 6〜12か月・税別
ご支援内容の一例
- 勤怠管理の作り直し(客観的な記録・承認の流れ)
- 未払賃金・社会保険の清算の設計と従業員への説明
- 就業規則・賃金規程・労使協定の改定と届出
- 管理監督者・みなし労働・業務委託の整理
- 産業医・衛生委員会・ストレスチェックの整備
運用定着・審査対応
150,000円〜/月
期間 直前期〜上場・税別
ご支援内容の一例
- 月次の労務モニタリング(36協定の上限・年5日の有給休暇・健康診断)
- 主幹事証券・監査法人・取引所からの質問への対応
- 従業員50人・100人に達したときの義務への対応
- 管理職向けの労務管理研修
従業員数・拠点数と、準備の段階でお見積りします監査だけ、是正だけのご依頼もお受けしています。
見積りを依頼する
労務監査・IPO労務支援の依頼先の比較
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IPO コンサル会社 |
一般的な 社労士事務所 |
法律事務所 |
| 労務全般の網羅的な点検 | 現場まで確認 | 労務は一部 | | 法的観点が中心 |
| 未払賃金・社会保険の遡及額の試算 | | | 事務所次第 | |
| 規程・協定の届出、勤怠の作り直し | 社労士業務 | 別途依頼 | | |
| 上場スケジュール・審査との整合 | | | 事務所次第 | |
| 清算の合意・紛争への対応 | 弁護士と連携 | | | |
| 相談する | | | |
労務監査・労務是正の支援事例
ITサービス100名規模・成長フェーズ労働時間制度の再設計ご支援中
ITサービス企業|職種ごとに労働時間制度を振り分け直し、実際の稼働と記録が一致する勤怠管理に
エンジニアを中心に急拡大したITサービス企業で、慣行で使い分けられていた裁量労働制とフレックスタイム制を、開発現場の稼働データまで突き合わせて職種ごとに確定。第三者に説明できる労働時間管理への切り替えを進めている事例。
拡大する
医療法人複数拠点シフト・夜勤の運用ご支援中
複数拠点の医療法人|勤務実態を突き合わせ、シフト制と夜勤の運用を法令に合う形に作り直し
分院の展開で拠点ごとに異なっていたシフトの組み方と夜勤・当直の扱いを、記録と現場の実態から洗い直し、変形労働時間制の作り直しと申し送り・更衣の時間の扱いの整理を軸に、法人全体で同じルールで回る体制づくりを進めている事例。
拡大する
ほかのご支援事例労務顧問・給与計算・人事評価制度など、業種やテーマごとの事例を掲載しています。
ご支援事例を見る
altruloopの労務監査・IPO労務支援が選ばれる理由
書面だけで終わらせず、現場の運用まで確かめる
規程と帳簿の確認に加え、勤怠・給与のデータをPCログや入退室の記録と突き合わせ、現場の責任者にもうかがいます。口頭で運用しているルールや、書類と実態のずれを拾います。
監査・人事労務DDから是正まで一気通貫で対応
労務顧問・給与計算・規程の整備を日常の業務として担う社労士事務所です。勤怠の作り直し、規程・協定の改定と届出、月次のモニタリングまで一気通貫で行い、上場後は労務顧問として社内の運用を支えることもできます。
清算や紛争、税務・登記までグループで対応
未払賃金の清算の合意や紛争、組織再編やM&Aに伴う税務・登記まで、グループの弁護士・税理士・司法書士と連携し、一気通貫で対応することも可能です。
altruloopホールディングスの体制拡大する
労務監査・IPO労務支援を担当する専門家
社会保険労務士/社労士事務所altruloop 代表
- 資格
- 社会保険労務士(登録番号 第13250298号)
- 専門分野
- 人事労務デューデリジェンス、上場準備の労務支援、労務是正、労務顧問(労務相談・給与計算・手続き)
- 実績
- 建設・介護・医療・IT業界など、累計100社以上の労務顧問を担当
弁護士/法律事務所sui 代表
- 資格
- 弁護士(【登録番号・所属弁護士会】)
- 専門分野
- 契約書の作成・レビュー、資金調達・株式発行、会社設立、訴訟・紛争
- 経歴
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所、三村小松法律事務所を経て参画
労務監査・IPO労務支援のよくあるご質問
料金・依頼の範囲
労務監査の費用はいくらですか?
社労士事務所altruloopの労務監査は500,000円〜(税別)で、期間の目安は4〜8週間です。従業員数・拠点数と調査の範囲によって変わります。監査で見つかった事項の是正支援は1,000,000円〜/月(6〜12か月)、直前期から上場までの運用定着・審査対応は月額150,000円〜です(いずれも税別)。
顧問契約を結ばなくても依頼できますか?
できます。顧問契約の前提はなく、労務監査や労務是正のみでご依頼いただけます。
他社の監査や労務DDで指摘を受けた後の、是正だけを依頼できますか?
できます。指摘事項が記載された報告書を拝見し、是正の範囲と順番をご提案したうえでお見積りします。監査だけ、是正だけ、運用定着だけの切り出しも可能です。
労務監査の基礎知識
労務監査とは何ですか?
労働時間・賃金・社会保険・就業規則などの運用が、法令と自社の規程どおりに行われているかを点検する調査です。規程や帳簿の書類、勤怠や給与のデータ、経営者・管理部門・現場へのインタビューの3方向から突き合わせ、食い違っている箇所を指摘事項として洗い出し、是正計画につなげます。
労務監査は誰が行いますか?社会保険労務士でなければできませんか?
2025年6月に施行された改正社会保険労務士法で、法令や就業規則などの遵守状況の監査が社会保険労務士の業務として明記されました(第2条第1項第3号)。ただし労務監査そのものは独占業務ではなく、社内の内部監査部門が自社で点検することもできます。是正で必要になる届出書類の作成・提出の代行は、社会保険労務士の業務です。
労務監査と労務DD(デューデリジェンス)の違いは何ですか?
調べる観点はほぼ同じで、違うのは目的です。労務監査は会社が自社のリスクを把握し、是正するために行う調査です。労務DDは第三者がリスクを評価するための調査で、M&Aでは買い手や投資家が価格や契約条件に反映するために、IPOでは監査法人や主幹事証券が上場準備の前提として確認するために求めることがあります。
労務監査ではどのような項目を確認しますか?
労働時間・賃金、社会保険・労働保険、規程・協定・帳簿、雇用形態・契約、安全衛生・ハラスメント、組織・人件費の6つの観点で確認します。未払残業代や社会保険の加入漏れなど、金額に直結する項目ほど優先して深く調べ、指摘は重要度を4段階で評価します。
IPO準備
IPO準備では、いつ労務監査を受けるべきですか?
直前々期(N-2期)の前半までに労務監査で全体を把握し、直前期(N-1期)の期首から是正済みの状態で運用していることが基本です。上場審査では是正した後の運用実績も確認されるため、未払賃金の清算や勤怠管理の作り直しが必要な場合は、早めに着手するほど上場スケジュールへの影響を抑えられます。
IPOの準備で、監査法人や主幹事証券から労務DDを求められました。依頼できますか?
できます。監査法人や主幹事証券に提出できる形でDD報告書を作成し、指摘事項の重要度の評価と、未払賃金・社会保険の遡及額の試算まで行います。その後の是正と、直前期からの運用定着まで一気通貫で対応できるため、指摘を受けてから別の依頼先を探す必要がありません。
未払残業代が見つかったら、上場はできなくなりますか?
見つかったこと自体で、直ちに上場できなくなるわけではありません。審査では、過去分を清算したか、再び起きない仕組みが運用されているかが確認されます。清算と是正後の運用実績づくりに時間がかかるため、直前期に見つかると申請期がずれることがあります。
未払残業代や社会保険料は、何年分さかのぼって清算が必要ですか?
賃金を請求できる権利の時効は当面の間3年のため(労働基準法第115条・附則第143条第3項)、未払残業代は過去3年分が目安です。社会保険料は、保険料を徴収する権利の時効が2年のため、さかのぼって加入する場合は最大2年分の負担が発生します。労務監査では、これらの金額を試算します。
勤怠の記録が残っていない期間があります。未払賃金は清算できますか?
できます。PCログ・入退室の記録・チャットの稼働・案件のアサイン記録など社内に残るデータから労働時間を推計し、職位や勤務形態などで従業員をグループに分けて、共通のロジックで金額を算定します。金額の算定と一人ひとりとの合意を分けることで、第三者に説明できる清算にします。
東京以外の会社でも依頼できますか?
できます。打ち合わせとインタビューはオンラインで行えます。日々の連絡はSlack・Chatwork・Google Chat・LINE・メール・電話に対応しています。現地での確認が必要な場合はご相談ください。