労働基準監督署から「是正勧告」を受けた際の対応方法を社労士が解説

労働基準監督署から「是正勧告書」という書類が届いたら、多くの経営者や人事担当者の方は、驚きと共に大きな不安を感じることでしょう。「一体何が問題だったのか」「これからどうすればいいのか」と、焦りを感じるのも無理はありません。

是正勧告は、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法令に違反している疑いがある場合に、労働基準監督署から出される行政指導です 。放置したり、対応を誤ったりすると、企業にとってより大きな問題に発展する可能性があります。しかし、是正勧告は、法令違反の状態を改善し、より良い職場環境を整備するための機会でもあります。  

この記事は、人事労務の専門家である社会保険労務士が、是正勧告を受けて戸惑いを感じている中小企業の経営者や人事担当者の皆様に向けて、その意味や通知書の内容の理解、具体的な対応フロー、是正報告書の書き方、そして無視した場合のリスクや専門家へ相談するメリットまで、段階を追って分かりやすく解説します。

目次

そもそも「是正勧告」とは?

労働基準監督署から「是正勧告」の通知を受け取った際、まず重要なのはその内容を正確に理解することです。ここでは、是正勧告の基本的な知識や、通知書に記載されていることの意味を解説します。

是正勧告の定義と法的根拠

是正勧告とは、労働基準監督署が企業に対して行う臨検(立ち入り調査)の結果、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法令に違反する事実が認められた場合に、その是正を求める行政指導のことです 。労働基準監督官が、法違反の状態を指摘し、改善を促すために交付します。  

重要なのは、是正勧告自体は行政「処分」ではなく、行政「指導」であるという点です 。そのため、勧告に従わなかったこと自体に直ちに罰則が科されるわけではありません。しかし、是正勧告の背景にある「法令違反の状態」を放置すれば、その法令違反に対して罰則が科される可能性があります 。したがって、是正勧告は非常に重く受け止め、真摯に対応する必要があります。  

労働基準監督署の調査(臨検)の種類と是正勧告に至る経緯

是正勧告は、労働基準監督署による調査(臨検)の結果として出されます。主な調査の種類には以下のようなものがあります。

調査種類経緯
定期監督労働基準監督署が年間計画に基づいて、対象となる事業場を選定し、定期的に実施する調査です 。最も一般的な調査形態と言えます。
申告監督現在の従業員や退職した従業員などから、法令違反に関する申告(通報)があった場合に、その事実確認のために行われる調査です 。申告者のプライバシーは保護され、企業側には誰が申告したかは通常知らされません 。申告監督の場合、監督官は申告者へ結果を報告する必要があるため、定期監督よりも詳細な調査や厳しい指摘がなされる傾向があると言われています 。
災害監督労働災害(労災)が発生した場合に、その原因究明や再発防止策の指導のために行われる調査です 。  
再監督以前に是正勧告や指導票が交付された事業場に対して、指摘事項がきちんと是正されているかを確認するために行われる調査です 。是正報告書が提出されない場合や、内容が不十分な場合にも実施されることがあります。  

一般的な調査の流れとしては、まず労働基準監督署から電話や文書で調査実施の連絡が入るか、予告なしに監督官が来訪します 。その後、事業場への立ち入り、帳簿書類の確認、関係者へのヒアリングなどが行われ、その結果、法令違反が認められると「是正勧告書」が交付されることになります 。  

是正勧告書と指導票の違い

労働基準監督署から交付される書面には、主に「是正勧告書」と「指導票」の2種類があります。これらの違いを理解しておくことは重要です。

  • 是正勧告書:明確な法令違反が確認された場合に交付されます 。違反事項、根拠条文、是正期日などが記載されており、企業は指摘された内容を是正し、その結果を「是正報告書」として労働基準監督署に提出する義務が生じます 。  
  • 指導票:法令違反とまでは言えないものの、労働者の健康確保や職場環境の改善などの観点から、改善が望ましいと判断された事項について交付されます 。例えば、36協定の範囲内ではあるものの時間外労働が多い場合に、削減努力を促すような指導がこれにあたります 。指導票の場合も、改善状況について「改善報告書」の提出を求められることがあります 。  

是正勧告書の方がより重大な指摘ではありますが、指導票であっても軽視せず、記載された内容については真摯に受け止め、改善に努めるべきです。放置すれば、将来的に法令違反につながる可能性や、次回の調査でより厳しい指摘を受けることにもなりかねません。

特徴是正勧告書指導票
根拠明確な法令違反法令違反ではないが改善が望ましい事項
法的拘束力書面自体にはなし(背景の法令違反には罰則あり)書面自体にはなし
対応義務是正報告書の提出義務あり改善報告書の提出を求められる場合あり
無視した場合違反状態の継続により罰則・送検の可能性、再監督状況改善が見られない場合、再指導や将来の法令違反リスク

是正勧告書に記載されている主な内容とチェックポイント

是正勧告書を受け取ったら、まず以下の項目を丁寧に確認しましょう。

  • 事業場の名称・所在地:自社宛てで間違いないか。
  • 代表者職氏名:正しく記載されているか。
  • 根拠条文:どの法律のどの条項に違反していると指摘されているか (例: 労働基準法第〇〇条) 。  
  • 違反事実:具体的にどのような行為や状態が法令違反とされているか (例: 時間外労働協定未届のまま法定時間を超えて労働させた) 。  
  • 是正期日:いつまでに是正し、報告書を提出しなければならないか 。この期日は非常に重要です。  
  • 交付年月日・労働基準監督署名・担当監督官名:いつ、どこの監督署の、どの監督官から交付されたものか 。  

これらの内容を正確に把握することが、適切な対応の第一歩です。もし記載内容に不明な点や、事実誤認と思われる箇所がある場合は、感情的にならず、まずは冷静に事実確認を進め、必要であれば労働基準監督署の担当監督官に問い合わせることも可能です 。  

よくある違反事例

是正勧告で指摘されやすい違反には、いくつかの典型的なパターンがあります。自社の状況と照らし合わせ、日頃の労務管理を見直すきっかけにもなります。

  • 労働時間に関する違反:
    • 時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)を締結・届出せずに法定労働時間を超えて労働させている、または協定の上限を超えて労働させている 。  
    • 残業代の未払いや不適切な計算(いわゆるサービス残業)。  
    • 法定の休憩時間を与えていない 。  
    • 不適切な労働時間管理(タイムカードと実労働時間のかい離など)。  
  • 賃金に関する違反:
    • 最低賃金額を下回る賃金設定 。  
    • 割増賃金の計算基礎に含めるべき手当(例:一律支給の諸手当)を除外している 。  
    • 固定残業代制度の運用不備(固定時間を超えた分の割増賃金未払いなど)。  
  • 就業規則に関する違反:
    • 常時10人以上の労働者を使用しているにもかかわらず、就業規則を作成・届出していない 。  
    • 就業規則の作成・変更時に、労働者代表の意見を聴取していない、または意見書を添付していない 。  
    • 就業規則を労働者に周知していない 。  
  • 安全衛生に関する違反:
    • 法定の健康診断を実施していない、または結果に基づく事後措置を講じていない 。  
    • 危険な作業場所における安全措置の不備。
    • 長時間労働者に対する医師の面接指導を実施していない 。  
  • 年次有給休暇に関する違反:
    • 法律で定められた日数の年次有給休暇を付与していない 。  
    • 年5日の年次有給休暇の時季指定義務を果たしていない 。  
    • 年次有給休暇管理簿を作成・保存していない 。  

これらの違反事例は、多くの企業で起こりうるものです。是正勧告を受けたということは、自社にも何らかの課題があったということを真摯に受け止め、改善に取り組むことが求められます。特に従業員からの申告によって調査が行われた場合(申告監督)、その背景には従業員の不満や不信感が存在している可能性が高く、より丁寧な対応と根本的な問題解決が望まれます。

分野具体的な違反例関連条文例 (労働基準法)
労働時間36協定未締結・未届での時間外労働、上限超過、サービス残業、不適切な休憩付与第32条、第36条、第37条
賃金最低賃金法違反、割増賃金の計算誤り・未払い、固定残業代の不適切運用第24条、第37条、最低賃金法
就業規則未作成・未届出(常時10人以上)、意見聴取義務違反、周知義務違反第89条、第90条、第106条
安全衛生定期健康診断未実施、安全配慮義務違反、長時間労働者への面接指導未実施労働安全衛生法各条項
年次有給休暇法定日数未付与、年5日の時季指定義務違反、有給休暇管理簿の不備第39条

是正勧告への対応フロー

是正勧告書や指導票を受け取った直後は、動揺してしまうかもしれません。しかし、慌てず、冷静に、そして迅速に初動対応を行うことが、問題を深刻化させないために非常に重要です。ここでは、通知書受領後にまず何から手をつけるべきか、具体的なステップを解説します。

通知書受領後の初動:冷静に、そして迅速に

是正勧告への対応は、時間との勝負でもあります。以下のステップで、計画的に進めましょう。

Step 1: 内容の正確な把握と共有

  • 是正勧告書・指導票の熟読:まず、交付された書面に記載されている内容を隅々まで確認します。特に、「指摘された違反事項(または指導事項)」と「是正期日(または報告期日)」は最重要ポイントです 。どのような行為が、どの法律のどの条文に違反していると指摘されているのかを正確に理解しましょう。  
  • 関係者への情報共有:経営トップはもちろん、人事労務担当者、関連部署の責任者など、対応に必要な関係者間で速やかに情報を共有します。秘密保持に留意しつつ、会社として一体となって対応にあたる体制を整えることが大切です。

Step 2: 指摘された問題点の事実確認

  • 客観的な事実調査:指摘された事項について、社内で事実関係を調査します。例えば、残業代未払いの指摘であれば、タイムカード、出勤簿、賃金台帳、雇用契約書、36協定届などを確認し、実際の労働時間や賃金支払い状況を客観的に検証します 。  
  • 原因の究明:なぜその違反が生じてしまったのか、原因を特定します。単なる手続きミスなのか、長年の慣行によるものか、あるいは法改正への対応遅れなのか。原因を把握することで、適切な是正策と再発防止策を講じることができます。

Step 3: 是正方針の検討と計画立案

  • 具体的な是正策の策定:指摘された各違反事項に対して、どのように改善するか具体的な是正策を検討します 。例えば、就業規則の不備であれば、どの部分をどのように改定するのか。未払い賃金があれば、いくら支払う必要があるのか、などです。  
  • 是正スケジュールの作成:是正期日から逆算し、各是正措置をいつまでに完了させるか、現実的なスケジュールを立てます。関係部署との連携が必要な場合は、その調整期間も考慮に入れましょう。
  • 担当者の明確化:各是正措置の実行責任者を明確にし、進捗管理を行います。

この初動対応の段階で、いかに迅速かつ的確に動けるかが、その後の労働基準監督署との関係性や問題解決のスムーズさに影響を与えることがあります。パニックにならず、一つ一つの課題を整理し、計画的に対応を進めることが肝心です。

労働基準監督署への連絡・相談のポイント

是正勧告書の内容について不明な点がある場合や、記載された是正期日までに対応が困難な事情がある場合は、労働基準監督署の担当監督官に連絡・相談することを検討しましょう。

  • 連絡・相談のタイミング:
    • 是正勧告書の内容(指摘事項、法令解釈など)にどうしても理解できない部分がある場合 。  
    • 指摘された違反事実について、自社の認識と大きな隔たりがある場合。
    • 是正期日までに、物理的に対応が間に合わないと見込まれる場合(是正報告書の提出期限延長の相談など)。  
  • 連絡・相談時の心構え:
    • 誠実かつ協力的な態度で:感情的な反論や責任逃れのような態度は禁物です。あくまで法令遵守の意思があることを示し、協力的な姿勢で臨みましょう。
    • 具体的な質問・相談内容を準備:何について聞きたいのか、どのような状況で困っているのかを具体的に伝えられるよう、事前に要点を整理しておきます。
    • 記録の徹底:担当監督官の名前、連絡日時、相談内容、回答などを記録しておきましょう。

労働基準監督署は、企業の法令違反を指導・監督する機関であると同時に、適切な労務管理に向けた相談に対応する側面も持っています。ただし、相談する際には、自社でできる限りの事実確認や対応策の検討を行った上で、具体的な論点を持って臨むことが望ましいでしょう。

証拠資料の保全と準備

是正勧告への対応においては、客観的な証拠資料が極めて重要になります。社内での事実確認、労働基準監督署への説明、そして最終的に提出する是正報告書に至るまで、あらゆる場面でこれらの資料が必要となります。

保全すべき主な資料

  • 労働者名簿、雇用契約書、労働条件通知書
  • 就業規則、賃金規程、その他諸規程
  • タイムカード、出勤簿、ICカード記録、PCログなど労働時間を客観的に記録したもの
  • 賃金台帳、給与明細書
  • 時間外労働・休日労働に関する協定書(36協定届の控え)
  • 健康診断個人票、産業医の意見書
  • その他、是正勧告書で指摘された事項に関連する一切の書類・記録

これらの資料は、指摘された期間だけでなく、関連する過去の記録も遡って確認・保全しておくことが望ましい場合があります 。資料が不足していたり、改ざんの疑いを持たれたりすると、状況がさらに悪化する可能性もあるため、誠実な対応が求められます。これらの資料を整理し、いつでも提示できるように準備しておくことが、スムーズな是正対応の鍵となります。  

是正報告書の作成と提出:書き方・期限・注意点

是正勧告を受け、指摘された事項の改善措置を講じたら、その結果を「是正報告書」として労働基準監督署に提出する必要があります 。この是正報告書は、是正勧告対応における非常に重要な区切りとなる書類です。ここでは、その作成方法、提出期限、注意点について詳しく解説します。  

是正報告書作成の基本と項目

是正報告書は、労働基準監督署に対して、指摘された法令違反をどのように是正したかを具体的に報告するための公式な文書です。厚生労働省や各都道府県の労働局のウェブサイトで様式例が公開されている場合があるので、参考にするとよいでしょう 。ただし、様式はあくまで一例であり、記載すべき内容は事案によって異なります。  

一般的に、是正報告書に記載すべき主な項目は以下の通りです 。  

  1. 宛先:「〇〇労働基準監督署長 殿」など。
  2. 報告年月日:報告書を提出する日付。
  3. 事業場の情報
    • 事業場の名称
    • 事業場の所在地
    • 代表者の職氏名(押印が必要)
  4. 是正勧告に関する情報
  5. 是正報告の詳細: 是正勧告書で指摘された各違反事項について、以下の内容を記載します。
    • 法条項等(番号):是正勧告書に記載されている、違反した法律の条項と番号を転記します。
    • 違反事実:是正勧告書に記載されている、具体的な違反内容の要点を転記します。
    • 是正の状況(是正内容):指摘された違反事項に対して、具体的にどのような改善措置を講じたかを詳細に記載します。
      • 例1(未払い残業代の支払い): 「〇年〇月〇日から〇年〇月〇日までの期間における時間外労働に対する未払い割増賃金〇〇円を、対象労働者〇名に対し、〇年〇月〇日に支払いました。(別添:賃金台帳写し、振込記録等)」
      • 例2(就業規則の届出): 「就業規則(変更届)を作成し、労働者の過半数を代表する者の意見書を添付の上、〇年〇月〇日に貴署へ届け出ました。(別添:届出受理印のある就業規則写し、意見書写し)」
      • 例3(労働時間の是正): 「〇年〇月より、タイムカードとICカードによる客観的な労働時間管理を徹底し、時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)の範囲内での運用を遵守するよう、各部門長へ指示徹底しました。(別添:〇月分の労働時間実績一覧、36協定届写し)」
    • 生年月日:その是正措置が完了した具体的な年月日を記載します。

記載にあたっては、曖昧な表現を避け、誰が読んでも理解できるように具体的かつ客観的に記述することが重要です。「対応しました」「改善しました」だけでは不十分で、「何を」「いつ」「どのように」改善したのかを明確に示しましょう。

添付すべき証拠資料とその重要性

是正報告書には、是正措置を講じたことを客観的に証明するための証拠資料を必ず添付します 。口頭や文書での報告だけでは、実際に是正が行われたかの確認が難しいため、証拠資料の提出は不可欠です。  

添付する主な証拠資料の例としては、以下のようなものが挙げられます 。  

添付すべき証拠資料詳細
就業規則関連変更届を提出した就業規則の控え(労働基準監督署の受付印があるもの)、労働者代表の意見書、周知したことを示す書類(掲示写真、回覧記録など)。
労働契約関連新たに作成・交付した労働条件通知書の写し。
賃金関連未払い賃金を支払ったことを示す賃金台帳の写し、銀行振込の控え、労働者からの受領印のある領収書など。
労働時間関連改善後の労働時間管理方法がわかる資料(タイムカードの運用ルール変更通知、新しい勤怠システムの導入資料など)、36協定届の控え。
安全衛生関連健康診断の実施結果(医療機関からの請求書や結果通知書の写し)、安全衛生委員会の議事録、安全設備の改修前後の写真など。

これらの証拠資料は、是正報告書の信憑性を高め、労働基準監督署による確認作業をスムーズにするために極めて重要です。提出する際は、報告書本文と関連付けられるように整理し、何が添付されているかの一覧を付けるとより丁寧です。また、提出した書類は全てコピーを取って自社で保管しておきましょう。

提出期限と延長の可否について

是正報告書の提出期限は、是正勧告書に明記されています 。この期限は厳守しなければなりません。  

万が一、やむを得ない事情により期限までに是正措置の完了や報告書の提出が間に合わない見込みとなった場合は、必ず期限が到来する前に、担当の労働基準監督官に電話等で連絡し、事情を説明した上で提出期限の延長を相談してください 。無断で期限を過ぎてしまうと、労働基準監督署からの心証を著しく損ねる可能性があります。  

期限延長を依頼する際には、正直に状況を伝え、いつ頃までには対応可能かの見込みを示す必要があります。労働基準監督署は、事情に応じて期限の延長を認めてくれることもありますが、その際に是正の進捗状況についての中間報告を求められることもあります 。その場合は、指示に従い誠実に対応しましょう。  

提出方法と提出時の重要な注意点

是正報告書及び添付資料の提出方法は、一般的には管轄の労働基準監督署へ持参するか、郵送(記録が残る書留郵便などが望ましい)で行います。事前に担当監督官に確認しておくと確実です。

提出時の注意点は以下の通りです。

  • 正確性の確認:提出前に、報告書の内容(違反事項、是正内容、是正年月日など)や添付資料に誤りや漏れがないか、複数人でダブルチェックしましょう。
  • 代表者印の押印:是正報告書には、原則として事業場の代表者印(会社実印または登録された代表者印)を押印します。
  • 控えの保管:提出する是正報告書及び全ての添付資料は、必ずコピーを取り、自社で厳重に保管してください。後日の問い合わせや、万が一のトラブルの際に重要な証拠となります。
  • 提出の記録:郵送の場合は書留の控え、持参の場合は受付印を押してもらった報告書のコピーなどを保管し、いつ提出したかを記録しておきましょう。

是正報告書の作成と提出は、是正勧告対応の山場です。不備なく、誠意をもって対応することが、問題を早期に解決し、労働基準監督署との信頼関係を損なわないために不可欠です。

確認項目内容・ポイント完了
全ての指摘事項への対応是正勧告書に記載された全ての違反事項について、是正内容が記載されているか。
具体的な是正措置の記載「何を」「いつ」「どのように」改善したのか、第三者にも理解できるように具体的に記述されているか。
是正完了年月日の明記各是正措置が完了した年月日が正確に記載されているか。
必要な証拠資料の添付是正内容を客観的に証明する証拠資料(就業規則の写し、賃金台帳の写し、写真など)が漏れなく添付されているか。添付資料の一覧はあるか。
誤字脱字・記載漏れのチェック報告書全体を通して、誤字脱字、計算ミス、記載漏れがないか最終確認。
会社印・代表者印の押印報告書の所定の箇所に、代表者印が鮮明に押印されているか。
提出期限の確認と遵守是正勧告書に記載された提出期限を再確認し、遵守できるか。間に合わない場合は事前に連絡・相談済みか。
提出する報告書・添付資料一式のコピー保管提出する全ての書類のコピーをファイリングし、社内で保管する準備ができているか。
提出方法の確認と提出記録の保管準備持参か郵送か、提出方法を確認したか。郵送の場合は書留など記録が残る方法で発送し、控えを保管する準備ができているか。

絶対NG!是正勧告を無視・放置するとどうなる?

労働基準監督署からの是正勧告は、あくまで「行政指導」であり、それ自体に直接的な強制力や罰則はありません 。しかし、これは「勧告を無視しても問題ない」という意味では断じてありません。是正勧告の背景には労働基準法などの法令違反が存在しており、これを放置することは企業にとって極めて深刻なリスクを招きます。  

無視・放置が招く直接的なリスクとは?

是正勧告を無視したり、適切な対応を怠ったりした場合、まず以下のような直接的なリスクが現実のものとなります。

  • 再監督の実施:是正報告書が提出されない、内容が不十分、あるいは報告された是正が行われていないと労働基準監督署が判断した場合、再監督(再度の立ち入り調査)が行われる可能性が非常に高くなります 。再監督では、より厳しい目で是正状況がチェックされることになります。  
  • 繰り返される是正勧告・より厳しい指導:再監督でも改善が見られない場合、再度是正勧告が出されたり、より具体的な改善策や期限を定めた厳しい指導が行われたりすることがあります 。労働基準監督署の指導は段階的に厳しくなる傾向があります。  

これらのリスクは、企業にとって時間的・人的コストの増大に繋がるだけでなく、労働基準監督署との関係悪化を招き、その後の対応をさらに困難にする可能性があります。

悪質な場合や改善が見られない場合の法的措置

是正勧告に従わず、法令違反の状態を継続したり、対応が悪質であると判断されたりした場合には、より深刻な法的措置が取られることになります。

  • 罰則(罰金・懲役)の適用
    • 労働基準法や労働安全衛生法など、多くの労働関係法令には罰則規定が設けられています。例えば、違法な時間外労働をさせた場合(労働基準法第32条違反)には「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」(同法第119条)が科される可能性があります 。是正勧告を無視するということは、この法令違反の状態を継続する意思があると見なされかねず、罰則適用の現実味が増します。  
  • 書類送検・起訴
    • 特に違反が悪質(例:意図的な法令違反の隠蔽、虚偽報告、度重なる勧告の無視など)であったり、重大な結果(例:労働災害による死亡や重傷)を招いたりした場合には、労働基準監督官は司法警察員としての権限に基づき、事件を検察庁に送致(書類送検)することがあります 。書類送検されれば、企業や代表者、担当者が刑事責任を問われ、起訴されて刑事罰(罰金刑や、場合によっては懲役刑)を受ける可能性が出てきます。実際に、長時間労働や残業代未払い、有給休暇不取得などの事案で企業や役員が書類送検されたケースは報道もされています 。  
  • 企業名の公表
    • 厚生労働省や各都道府県労働局は、重大・悪質な法令違反を犯した企業や、是正指導に繰り返し応じない企業について、その企業名を公表する制度を運用しています 。企業名が公表されれば、社会的な信用は大きく失墜し、取引や採用活動に深刻な悪影響が及ぶことは避けられません。これは、法的な罰則以上に企業経営に打撃を与える可能性のある措置です。  

このように、是正勧告の無視・放置は、単なる行政指導の不履行に留まらず、刑事罰を含む法的な制裁へと繋がる重大なリスクをはらんでいます。

その他の間接的な不利益

法的な措置以外にも、是正勧告を軽視することで、以下のような間接的な不利益を被る可能性があります。

  • 従業員との信頼関係の悪化・民事訴訟リスク
    • 企業が法令を遵守しない姿勢は、従業員の会社に対する不信感を増大させます。モチベーションの低下、離職率の増加に繋がりかねません。また、未払い残業代など金銭的な請求権を持つ従業員から、個別に民事訴訟を提起されるリスクも高まります 。是正勧告の事実は、そうした訴訟において従業員側に有利な証拠となり得ます。  
  • 社会的信用の失墜・採用活動への悪影響
    • 「ブラック企業」とのレッテルを貼られれば、顧客や取引先からの信用を失い、新規取引や契約更新が困難になることがあります。また、採用活動においても、求職者から敬遠され、優秀な人材の確保が極めて難しくなるでしょう 。現代では、企業の評判はインターネットを通じて瞬時に拡散するため、一度失った信用を回復するのは容易ではありません。  
  • 許認可への影響・指名停止等
    • 業種によっては、法令遵守の状況が事業の許認可の維持や更新、あるいは公共事業の入札参加資格などに影響する場合があります 。労働関係法令の違反が、これらの資格剥奪や指名停止といった事業継続に関わる重大な問題に発展するケースも考えられます。  

是正勧告は、いわば企業に対する「イエローカード」です。これを真摯に受け止めず放置すれば、上記のような様々なリスクが現実化し、最終的には企業の存続そのものを脅かす事態にもなりかねないことを、経営者・人事担当者は強く認識しておく必要があります。

リスクの種類具体的な内容影響度(例)
再監督労働基準監督署による再度の立ち入り調査。より厳しいチェック。中(対応コスト増、時間的拘束)
罰金・懲役労働基準法等の違反に対する直接的な刑事罰(例:労基法違反で懲役6ヶ月以下または罰金30万円以下など)。高(金銭的損失、代表者の刑事責任)
書類送検悪質な場合、検察庁へ事件送致。刑事事件として捜査・起訴の可能性。極高(刑事罰、企業イメージの著しい悪化)
企業名公表厚生労働省などにより、法令違反企業として社名が公表される。極高(社会的信用の失墜、ブランドイメージの毀損)
従業員からの訴訟未払い賃金請求訴訟、損害賠償請求訴訟など。高(金銭的損失、時間的コスト、社内混乱)
社会的信用の低下取引先・顧客からの信用失墜、金融機関の評価低下。高(事業機会の損失、資金調達難)
採用困難求職者からの敬遠、人材獲得コストの増大、既存社員のモチベーション低下。高(事業成長の阻害、組織力の低下)
許認可への影響業種により、事業許認可の取消・停止、公共事業の指名停止など。高~極高(事業継続の危機)

「自社での対応は難しい」と感じたら?専門家(社労士)に相談するメリット

是正勧告の内容は多岐にわたり、労働関係法令の解釈や適切な是正報告書の作成、場合によっては労働基準監督署との折衝など、専門的な知識や経験が求められる場面も少なくありません。特に、中小企業で専任の法務担当者や経験豊富な人事労務担当者がいない場合、「自社だけで本当に適切に対応できるだろうか」と不安を感じることもあるでしょう。そのような時、労働問題の専門家である社会保険労務士(社労士)に相談することは、有効な選択肢の一つです。

社労士に是正勧告対応を依頼することには、以下のようなメリットがあります。

複雑な手続きや書類作成を専門家に任せられる

  • 的確な法令解釈と対応策の策定
    • 社労士は、労働基準法をはじめとする労働関係法令の専門家です。是正勧告書の内容を正確に読み解き、指摘された問題点に対して法的に適切な是正策をアドバイスできます 。  
  • 是正報告書の作成支援・代行
    • 労働基準監督署が納得する是正報告書を作成するには、具体的な改善内容や証拠資料の添付など、細かな点に注意が必要です。社労士は、これらの書類作成を全面的にサポート、あるいは代行することができます 。これにより、不備による再提出のリスクを減らし、スムーズな手続き進行が期待できます。  
  • 時間と労力の削減
    • 経営者や人事担当者が本来の業務に集中できるよう、煩雑な手続きや書類作成業務を専門家に任せることで、貴重な時間と労力を節約できます。これは、特にリソースの限られる中小企業にとっては大きなメリットです。まさに、「本業に集中するため、面倒な手続きは専門家に任せたい」というニーズに応えるものです。

正確な是正対応で追加リスクを防ぎ、根本解決に繋がる

  • 再勧告リスクの低減
    • 社労士は、過去の事例や労働基準監督署の傾向を熟知しているため、指摘事項に対して的確かつ十分な是正を行うためのアドバイスが可能です。これにより、中途半端な対応による再勧告や、新たな問題点の指摘といった追加リスクを防ぐことができます 。  
  • 根本的な労務管理体制の見直し
    • 是正勧告は、企業が抱える労務管理上の問題点が表面化したものと捉えることができます。社労士は、単に目先の是正勧告に対応するだけでなく、その背景にある問題の根本原因を分析し、就業規則の見直し、労働時間管理方法の改善、賃金制度の再設計など、将来にわたって法令を遵守できる労務管理体制の構築をサポートします 。これにより、「二度と同じ問題を起こさないようにしたい」という企業の潜在的なニーズに応えることができます。  
  • コンプライアンス意識の向上
    • 専門家からの指導を通じて、社内のコンプライアンス意識を高め、健全な企業経営の基盤を強化することにも繋がります。

労働基準監督署との交渉や対応をサポート

  • 専門家としての折衝
    • 労働基準監督署の担当監督官とのやり取りにおいて、社労士が代理人として、または同席して対応することが可能です 。専門的な知見に基づき、企業の状況を的確に説明したり、是正期日の延長交渉を行ったりするなど、企業にとって不利にならないよう交渉を進めるサポートが期待できます 。  
  • 円滑なコミュニケーション
    • 労働問題の専門家である社労士が間に入ることで、労働基準監督署とのコミュニケーションが円滑に進むことがあります。企業が真摯に問題解決に取り組んでいる姿勢を示すことにも繋がり、監督官の心証を良くする効果も期待できるかもしれません 。  

精神的な負担の軽減と安心感

  • 不安の解消
    • 是正勧告という予期せぬ事態に直面した経営者や人事担当者の精神的な負担は計り知れません。専門家に相談し、具体的な対応の道筋が見えることで、「何をどうすれば良いのか」という不安が軽減され、精神的な安定を得ることができます 。まさに、「とにかく不安を解消し、安心したい」というニーズに応えるものです。  
  • 客観的なアドバイス
    • 社内に相談できる相手がいない場合でも、社労士は客観的な立場から最善の策をアドバイスしてくれます。感情的にならず、冷静な判断を下すためのサポート役となります。

労働基準監督署からの是正勧告に関するよくある質問

是正勧告に関して、経営者や人事担当者の皆様から寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。

Q1: 是正報告書の書き方が具体的にわかりません。テンプレートはありますか?

A: 厚生労働省や各都道府県労働局のウェブサイトで、是正報告書の様式例が公開されていることがあります 。本記事の「是正報告書の作成と提出」の章でも基本的な記載項目や注意点を解説しましたが、具体的な内容は個別の事案によって調整が必要です。指摘された違反内容に応じて、どのような改善を行い、それをどのように記載し、どんな証拠書類を添付するかが重要になります。もし、自社での作成に不安がある場合は、無理をせず社会保険労務士などの専門家にご相談いただくことをお勧めします。  

Q2: 指摘された違反に心当たりがありません/納得いきません。どうすれば良いですか?

A: まずは冷静に、社内で事実関係を徹底的に確認してください。その上で、是正勧告書に記載された内容について、どうしても事実と異なる点がある、あるいは法解釈に疑問があるという場合は、労働基準監督署の担当監督官に問い合わせて説明を求めることができます 。その際は、感情的に反論するのではなく、客観的な資料や根拠に基づいて、具体的にどの点が納得できないのかを論理的に伝えることが重要です。ただし、単なる「知らなかった」「他社もやっている」といった主張は通用しにくいことを理解しておきましょう。対応に苦慮する場合は、専門家のアドバイスを求めるのが賢明です。  

Q3: 是正報告書の提出期限にどうしても間に合いそうにありません。

A: 是正勧告書に記載された提出期限は原則として守らなければなりません。しかし、是正措置に時間を要するなど、やむを得ない事情で期限までの提出が困難な場合は、必ず期限が到来する前に、担当の労働基準監督官に電話などで連絡し、正直に事情を説明して期限の延長を相談してください 。無断で遅延することは、労働基準監督署の心証を著しく損ね、その後の対応が厳しくなる可能性があります。延長を願い出る際には、いつ頃までに提出可能かの見込みを伝え、場合によっては進捗状況についての中間報告を求められることもありますので、その指示に従いましょう。  

Q4: 是正勧告を受けたことを従業員に伝えるべきですか?

A: これはケースバイケースであり、一概に「伝えるべき」「伝えるべきでない」とは言えません。是正内容が就業規則の変更や労働条件の変更を伴うものであれば、当然、従業員への説明と周知が必要です。一方で、軽微な事務手続き上のミスなどであれば、必ずしも全従業員に公表する必要はないかもしれません。ただし、是正勧告を受けたという事実を隠蔽しようとする姿勢は、かえって従業員の不信感を招く可能性があります。企業として問題を真摯に受け止め、改善に取り組んでいることを透明性をもって示すことが、結果的に従業員の信頼回復に繋がることもあります。伝え方やタイミング、範囲については慎重に検討し、必要であれば専門家のアドバイスを受けると良いでしょう。

Q5: 過去の未払い残業代は、いつまで遡って支払う必要がありますか?

A: 賃金(残業代を含む)を請求する権利の消滅時効は、労働基準法の改正により、原則として3年間です(ただし、2020年3月31日までに発生した賃金請求権については2年間となります)。したがって、法的には最大で過去3年分の未払い残業代を支払う義務が生じる可能性があります。労働基準監督署の是正勧告においては、必ずしも3年分全ての遡及支払いを指導されるとは限りませんが(例えば直近数ヶ月分など)、労働者個人が民事訴訟で請求する場合は、時効にかからない期間全てが対象となり得ます。具体的な対応については、未払いの期間や金額、企業の状況などを踏まえて、社会保険労務士や弁護士などの専門家と相談することを強く推奨します。  

Q6: 今回是正すれば、もう調査は来ませんか?

A: 是正勧告書に基づき適切に是正を行い、是正報告書を提出して労働基準監督署がそれを了とすれば、今回の件に関する監督指導は一旦終了となります。しかし、これで将来にわたって一切調査が来なくなるという保証はありません。労働基準監督署は、定期監督として計画的に調査を実施していますし、もし別の問題で従業員からの申告があれば、再度、申告監督が行われる可能性もあります 。最も重要なのは、今回の是正勧告を教訓とし、継続的に法令を遵守する労務管理体制を維持・改善していくことです。  

Q7: 社労士に相談する場合の費用はどのくらいかかりますか?

A: 社会保険労務士に是正勧告対応を依頼する場合の費用は、事案の複雑さ、指摘された違反事項の数、依頼する業務の範囲(相談のみ、書類作成支援、労働基準監督署への同行など)、企業の規模などによって大きく異なります。スポット契約(個別の案件ごとの契約)で是正勧告対応を依頼する場合、一般的には数万円から数十万円程度が目安となることが多いようです 。顧問契約を締結している場合は、その契約範囲内で対応可能な場合もあります。 多くの社会保険労務士事務所では、初回相談を無料または比較的安価な料金で設定している場合がありますので、まずは複数の事務所に問い合わせて、具体的な状況を説明し、見積もりを取ってみることをお勧めします。その際には、費用の内訳やどこまでの業務が含まれるのかをしっかり確認しましょう。

まとめ:労働基準監督署からの是正勧告対応は、社労士事務所altruloopにご相談ください

労働基準監督署からの是正勧告は、企業にとって迅速かつ正確な対応が不可欠な重要事項です。対応を誤ったり、安易に放置したりすると、罰則や書類送検、企業名の公表といった深刻な事態に発展するリスクがあります。本記事で解説した対応フローや是正報告書の書き方、そして無視した場合の様々なリスクを十分にご理解いただき、まずは冷静に状況を把握し、適切な是正措置を講じることが肝要です。

もし、是正勧告書の内容が複雑で自社だけでの対応が難しいと感じる場合や、法解釈・是正方法の正確性に不安がある場合、あるいは根本的な労務管理体制の見直しまで踏み込みたいとお考えの場合は、労働問題に詳しい専門家である社会保険労務士に相談することを強くお勧めします。社会保険労務士は、単に是正報告書を作成するだけでなく、是正勧告に至った背景にある問題点を分析し、貴社が将来にわたって法令を遵守し、従業員が安心して働ける職場環境を構築するためのトータルサポートを提供できます。

社労士事務所altruloopでは、労働基準監督署からの是正勧告対応に関するご相談を、初回無料にて受け付けております。豊富な経験と専門知識に基づき、貴社の状況に合わせた最適な対応策をご提案し、精神的なご負担の軽減にも貢献いたします。是正勧告への対応でお困りの際は、決して一人で抱え込まず、まずはお気軽にお問い合わせください。

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監修者(社労士)

社会保険労務士(社労士事務所altruloop代表)
労務管理・人事制度設計・法改正対応をはじめ、実務と経営をつなぐ制度づくりを得意とする。戦略コンサルファームでは新規事業立ち上げや組織改革に従事し、大手〜スタートアップまで幅広い企業の支援実績あり。
現在は東京都渋谷区や八王子を拠点にしている社労士事務所altruloop(アルトゥルループ)代表として、全国対応で実務と経営の両視点から企業を支援中。

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