持病があり「もう保険には入れないのでは」と不安を抱える方は少なくありません。しかし、持病があっても入れる生命保険は存在します。
本記事では、持病がある方の保険選びの選択肢や告知の注意点、具体的な進め方について解説します。ご自身に合った保険を見つけるための参考にしてください。
- 持病があっても加入できる保険の種類と特徴
- 引受基準緩和型保険と無選択型保険の違い
- 告知で聞かれる内容と、告知義務違反のリスク
- 高血圧や糖尿病など、具体的な持病別の加入の考え方
- 審査に落ちないための保険選びの正しい進め方

【西山 尚志 | ファイナンシャルプランナー】
株式会社altruloopフィナンシャルパートナーズ マネージャー
個人・法人保険及びファイナンシャルプランナーとして、個人のライフプランニングから法人の経営課題解決まで、多角的な視点でトータルサポートを提供している。保険商品の販売にとどまらず、保険募集人として、高度な専門性と倫理観を持ち、客観的かつ公正な立場から、顧客の最善の利益を追求する。
持病があっても生命保険に入れる?
持病があっても入れる保険はある
過去に大きな病気をしたり現在通院中だったりしても、加入できる生命保険はあります。保険会社は加入者の健康状態に応じてリスクを評価し、様々な条件の商品を用意しているからです。
たとえば「引受基準緩和型」や「無選択型」は、持病がある方向けに設計された保険です。これらを活用すれば、死亡保障や医療保障を準備できます。ただし、一般的な保険と比べると保険料が割高になったり、保障に制限がついたりする点には注意が必要です。
まず通常の保険に入れないか確認する
持病があるからといって、最初から持病向けの保険を選ぶのはおすすめしません。まずは、通常の生命保険に加入できないか確認してください。
通常の保険の方が保険料が安く、保障内容も充実しているからです。持病の種類や状態によっては、通常の保険に「特別条件」付きで加入できるケースが多々あります。特別条件とは「特定の部位の病気は一定期間保障しない(部位不担保)」「保険料を割り増しする(保険料割増)」などです。
また、審査基準は保険会社ごとに異なります。A社で断られてもB社なら条件付きで加入できた、という事例は珍しくありません。まずは通常の保険の審査を受けてみることが重要です。
持病があっても入れる保険の種類
通常の保険への加入が難しい場合、「引受基準緩和型」と「無選択型」を検討します。

引受基準緩和型保険
健康状態に関する審査基準(引受基準)を緩くした保険です。3〜5つ程度の簡単な告知項目にすべて「いいえ」と答えられれば加入できます。
項目は商品により異なりますが、「過去3ヶ月以内に入院・手術・検査をすすめられたか」「過去2年以内に入院・手術をしたか」「過去5年以内にがんなどで診察を受けたか」などが一般的です。高血圧や糖尿病で通院していても、これらの条件に該当しなければ加入できる可能性が高まります。
メリットは加入のハードルが低いことですが、保険料が割高な点や、加入後1年間は給付金が半額になる「支払削減期間」が設けられている場合がある点がデメリットです。
無選択型保険(告知なしで入れる)
健康状態についての告知が一切ない、「告知なしで入れる」保険です。医師の診査も不要で、持病が悪化している状態でも基本的な条件を満たせば加入できます。
緩和型保険の告知項目にも該当してしまい、どうしても保険に入れない場合の選択肢となります。
ただし、最も審査が緩い分、保険料は3タイプの中で最も高額です。また、保険金額の上限が低く、加入前に発病していた病気の悪化は保障対象外となるケースがほとんどです。「どうしても保険に入っておきたい」という場合に検討します。
3タイプの比較
保険料や保障内容の有利さは「通常の保険 > 引受基準緩和型 > 無選択型」の順になります。
| 項目 | 通常の保険 | 引受基準緩和型 | 無選択型 |
|---|---|---|---|
| 審査 | 詳細な告知が必要 | 簡単な告知のみ | なし(告知不要) |
| 保険料 | 安い(標準的) | 割高 | 最も割高 |
| 保障内容 | 充実している | やや制限あり | 制限が多い |
| 支払削減期間 | なし(免責期間ありの場合も) | 1年程度ある場合が多い | あり |
| 検討順位 | 1番目 | 2番目 | 3番目 |
ご自身の健康状態で加入できる、最も条件の良い保険を探すことが大切です。
告知でどこまで聞かれる?告知の注意点
保険加入時に必須となる「告知」の内容とルールについて解説します。
告知で聞かれる主な項目
通常の保険では、以下の項目を中心に申告します。
- 現在の健康状態と直近の受診歴(過去3ヶ月以内の診察や投薬など)
- 過去の病歴(過去5年以内の入院・手術・7日間以上の通院など)
- 特定の疾病の履歴(がん、心疾患、脳卒中、糖尿病などの診断歴)
- 身体の障害(視力、聴力などの障害の有無)
- 妊娠の有無(女性の場合)
一方、引受基準緩和型保険の場合は、「過去2年以内に入院しましたか」など、3〜5項目程度の質問に限定されます。
告知は正確に行う(告知義務違反に注意)
告知はありのままを正確に行う義務(告知義務)があります。審査に通りたいからと病歴を隠したり嘘をついたりしてはいけません。
万が一、虚偽の申告(告知義務違反)をして加入しても、保険金請求時の調査で発覚すれば給付金は支払われません。契約解除となり、それまでの保険料も戻らないリスクがあります。
「この程度の通院なら言わなくても大丈夫だろう」という自己判断は禁物です。曖昧な点は加入前に確認し、誠実に申告してください。
審査に落ちた場合の選択肢
通常の保険の審査に落ちた(謝絶された)場合でも、まだ方法はあります。
まずは別の保険会社の通常保険を試します。前述の通り、引受基準は会社ごとに異なるためです。
複数の通常保険で断られた場合は、次に「引受基準緩和型保険」を検討します。それでも告知項目に引っかかる場合は、最終手段として「無選択型保険」を検討するか、預貯金など保険以外の手段で備えます。
持病別・生命保険加入の考え方
病気の種類や進行度によって、保険加入のハードルは大きく変わります。
高血圧の場合
高血圧は、薬で血圧が基準値内(上が140未満、下が90未満など)にコントロールされていれば、通常の保険に加入できるケースが多くあります。特別条件なし、あるいは軽い保険料割増で済むことも珍しくありません。
ただし、数値が高いまま放置していたり、合併症を引き起こしていたりする場合は、通常の保険は難しくなり、緩和型保険の検討が必要になります。
糖尿病の場合
糖尿病は合併症(網膜症や腎症など)のリスクがあるため、高血圧より審査が厳しくなります。
それでも、HbA1cの数値が低く安定しており合併症がない早期段階なら、特別条件付きで通常の保険に入れる可能性があります。一方、インスリン治療を行っている場合や合併症がある場合は、通常の保険は困難で、緩和型保険が主な選択肢となります。
加入が難しくなりやすいケース
以下のようなケースは、保険加入が厳しくなる傾向があります。
- がん:治療中や治療後間もない場合
- 脳卒中・心筋梗塞:再発リスクが高いとみなされるため
- 精神疾患:うつ病や統合失調症で通院・服薬中の場合
- 肝硬変・慢性腎不全:臓器の機能低下が進行している場合
これらの場合は、複数の緩和型保険の告知項目を比較するか、無選択型保険を検討します。
完治して一定期間経過すれば通常の保険に入れることも
過去にがんや心疾患などを患っても、治療が完了し一定期間再発がなければ、通常の保険に加入できる可能性が出てきます。
一般的には、治療終了から「5年」がひとつの目安です。告知書では「過去5年以内の病歴」を問われることが多いため、5年経過すれば告知の必要がなくなり、健康な方と同じ条件で入れる可能性が高まります。
過去の病気だけで諦めず、現在の状況をもとに最新の審査基準を確認することが大切です。
持病がある人が保険に加入する進め方
自分に合った保険を見つけるための正しい手順を解説します。
加入のしやすい順に検討する
保険料と保障内容のバランスを考え、必ず以下の順序で検討してください。
- 通常の保険(条件付き含む)
- 引受基準緩和型保険
- 無選択型保険
「持病があるから」と最初から緩和型に決めてしまうと、本来なら通常の保険に入れたのに無駄に高い保険料を払うことになりかねません。まずは通常の保険からアプローチするのが基本です。
複数社を比較する(引受基準は会社で異なる)
「どの病気をどの程度のリスクとみなすか」という審査基準は、保険会社によって異なります。
同じ糖尿病でも、A社は加入不可、B社は保険料割増で可、C社は緩和型なら可、と対応が分かれます。1社で断られても諦めず、必ず複数社の基準を比較検討してください。
一人で探さず、専門家に相談する
数ある保険の中から審査に通りやすい会社を自力で見つけるのは難しいのが現実です。
持病があり不安な場合は、複数の保険会社を扱う保険代理店やFPなどの専門家に相談することをおすすめします。実務経験のある専門家なら、病名や治療状況をもとに「この状態ならD社の通常保険にチャレンジできる」といった具体的なアドバイスが可能です。告知書の書き方も含め、プロのサポートを受けるのが確実です。
生命保険 持病があっても入れるでよくある質問
持病があると生命保険に入れませんか?
入れます。「引受基準緩和型」や「無選択型」といった保険があります。また、病気や治療状況によっては通常の保険に条件付きで加入できるケースも多いため、最初から諦める必要はありません。
引受基準緩和型と無選択型はどちらがいいですか?
基本的には「引受基準緩和型」を優先します。無選択型(告知なし)は保険料が非常に高く保障も制限されるため、緩和型に入れない場合の最終手段として検討してください。
告知なしで入れる保険はありますか?
はい、「無選択型保険」が該当します。告知や医師の診査なしで加入できますが、保険料が最も高く、加入前に発症していた病気は保障されないなどの厳しい条件があります。
高血圧・糖尿病でも入れますか?
はい。高血圧で薬により数値が安定していれば、通常の保険に入れるケースが多いです。糖尿病は審査が厳しくなりますが、数値が良好なら条件付きで通常保険に、難しければ緩和型で入れる可能性があります。
持病を告知せずに入ってもいいですか?
絶対にいけません。告知義務違反となり、いざという時に給付金が支払われないばかりか、契約解除になるリスクがあります。必ず正確に告知してください。
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まとめ
持病があっても入れる生命保険についての重要なポイントを振り返ります。
- 持病があっても入れる「引受基準緩和型」や「無選択型」の保険がある
- 保険料の観点から「通常の保険 → 緩和型 → 無選択型」の順で検討する
- 嘘の申告(告知義務違反)は契約解除になるため絶対にしない
- 高血圧で数値が安定していたり、過去の病気から5年経過していれば通常保険に入れる可能性がある
- 審査基準は会社で異なるため、一人で悩まず専門家に相談する
持病を理由に保険を諦める必要はありませんが、複雑な審査基準を比較し、ご自身にとって「最も条件の良い保険」を自力で探し出すのは困難です。
私たち専門家グループが、最新の基準をもとにあなたに最適な保険選びをサポートいたします。少しでも不安があれば、一人で悩まずにまずは一度ご相談ください。

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